いじめにより気持ちが鈍り、自分を見失う状態になってしまったり、時には殺意を覚えたりと、追い詰められてしまう事もあるかもしれません。
現実は厳しいと思いますが、いじめにより自滅に追い込む事だけは避けたいです。
エレファント
背景:
映画「エレファント」は、1999年4月20日アメリカ・コロラド州ジェファーソン郡コロンバイン(Columbine)のジェファーソン郡立コロンバイン高等学校でおきた事件をもとにした映画です。コロンバイン高校の2人の生徒、エリック・ハリスとディラン・クレボルドは、高校に入学してしばらくした頃から、一部の生徒からいじめを受けるようになりました。
毎日のように小突かれたり、とくに人気の集団の生徒と仲良くしている女子生徒が、2人を直接あざけるなど頻繁にあったようです。
また、2人がファゴット(faggot「オカマ野郎」「ホモ野郎」というような意味の差別的な言葉)を罵られたり、ハリスがロッカーに押し込まれると、物を投げつけられるなどを目撃されています。
いじめの対象になっていたのは、ハリスとクレボルドの他にもいました。
そんな中で、一部の生徒が、一種の自警団として、自分たちを「トレンチコート・マフィア」と自称するようになります。
ハリスとクレボルドは、この「トレンチコート・マフィア」のリーダーと友人でした。
ただ、黒色のトレンチコートをトレードマークとしたこの「トレンチコート・マフィア」にいた生徒は、この事件が発生するより前に、全員が卒業もしくは退学していました。
日常的に行われていたいじめが、2人の絆を強くしていたと共通の知り合いは語っています。
2人をいじめていた生徒は、この高校で力を持っていました。
事件の当日、2人はいじめていた生徒たちのことを「ジョック(en:jocks)」と呼んでいます。
映画「エレファント」あらすじ
秋のある日、いつも通り誰にとっても、平凡な一日の一コマ。
車で学校に送ってくれた父が酒に酔っていることに気がついたジョンは、兄に迎えに来るよう電話する。
写真部のイーライは、公園を散歩するカップルに写真を撮って良いかとたずね写真を撮る。
早く大学生になりたいと話す3人のJK。アメフトの練習後、かわいい彼女と待ち合わせるネイサン。
淡々と日常は流れていきます。
あどけなさが残るアレックスは、自宅で「エリーゼのために」を弾く傍らで、エリックは殺人ゲームに夢中。
ところが、このアレックスとエリックが、ネットで注文をしたあるモノを持って、学校へ乗り込み、惨劇が始まります。
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感想:
映画自体は、81分と短いのですが、のちに惨劇の犠牲になる生徒の日常が、淡々と描かれ、少し退屈でした。いじめを受けた生徒と言っても、その後の惨劇に焦点を絞っていて、映画では、それほど詳しい描写はされていません。
またエリックは、どちらかと言えば、いかにも過激な事をやらかしそうな雰囲気ですが、アレックスは、いじめられる雰囲気を匂わしていても、過激な事をやるような雰囲気ではありません。
実際の2人はわかりませんが、そのギャップが、かなり衝撃でした。
いじめを受けていた人間が、自滅に陥らせる方法として、最も避けなければならない手段をとってしまった事は、ショッキングです。
普通に考えたら、沢山の犠牲者を生んでしまったのですが、彼らにしたら仕返しなのでしょうが、学校に抗議をするにしても、他に手段はなかったのかと思います。
もちろん、ロックを100%否定するつもりはありませんが、愛聴していたアーティストにマリリン・マンソンがいるとの話もあります。
本来なら被害者とも思える人の取った行動としては、何も解決しない方法をとってしまった裏に、ロックによる洗脳のような悪い影響が多少でもあったとしたら怖い事です。
アレックスの無機質ともとれる表情に、悪魔が宿ってしまったのかと思ってしまいました。
強いて言えば、もし何らかの殺意を感じていたら、この映画を見る事で冷静になれるかもしれません。
BULLY ブリー
2001年に公開された映画「BULLY ブリー」の原作は、実際に起こった少年少女7人によるボビー・ケント殺人事件を題材としたジム・シュッツの「なぜ、いじめっ子は殺されたのか?」を元にしています。
将来は父の経営する会社を継ぐ事になっている高校生のボビーと高校中退のマーティーは、同じバイト先で働く幼なじみ。
と言っても、マーティーは、常にボビーの言いなりになっています。
そんな2人の前に、アリとリサという少女が現れますが、リサもアリの言いなりで、リサはマーティとつき合い始めます。
リサは、自分と似たマーティーを本気で好きになりますが、ボビーはアリとリサにも暴力的な態度を取り、それぞれを犯し、リサは子供を宿してしまいます。
リサは、ボビーのマーティや自分への卑劣な扱いに憎しみが渦巻いていきます。
リサは、ボビーを「消す」事と、アリのボーイフレンドのドニーとヘザー、リサのいとこのデレク、不良グループのリーダーのカーフマンを巻き込んで、ある計画が実行されます。
原作の邦題が「いじめっ子・・・」とありますが、そんな生易しい表現ではないと思います。
マーティは、幼いころからボビーに理不尽な扱いを受け、やがては落ちるだけ落ちていってしまうのですが、自分を見失うような、こういう腐れ縁な人とは、とにかく縁を切った方が良いのです。
占いの四柱推命では「壊す縁」というのが、わかります。
殺すか殺されるか、悲しい現実ですが、良い意味でのつながる縁ばかりではありません。
マーティにしたら、泣き面にハチでしょう。
衝撃的なシーンが多いので、万人におすすめな映画とは言いません。
ただ、10代の若い子達が完璧とも思える行動をしたと思っても、限界がある事がわかると思います。
彼らにとって、この完璧と思える行動が、どれほどストレスになるのか、隠し立てできるほど成熟していないので、すぐ足がついてしまいます。
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