■第7話:愛は待たない
■放送日:1991年2月18日
東京ラブストーリー第7話あらすじネタバレ!
カンチは、さとみに「どうしたんだ?何があったんだ?」と、問いかけると、うつむいたまま、さとみが「抱き合ってたの。三上君が他の人と。どうしよう。永尾君、どうすればいい?」
カンチ「俺には、決められないよ。俺は、何もしてやれない。」
さとみ「そうよね。私が、甘えてばかり。リカさんにも迷惑がかかるし。」
カンチ「あいつは、そんなこと言ったりしない。」
さとみ「ごめんなさい。どうして永尾君のとこ、電話しちゃったんだろう?どうかしてた。ほんとに、ごめんなさい。」
リカは、飲み物を入れようと、2つマグカップを出すと、思わず手を滑らせ、割ってしまいます。
そこへ、カンチが帰ってきます。
カンチは、こたつに入って「リカ?」と呼びます。
無言のリカにカンチは「今、関口と会ってた。帰ってきたら、留守電入っていて、俺に会いたいって。俺、会った。三上が、他の女抱いているの見たって。関口、落ち込んでいて、結局、何にもしてやれなかった。」
リカ「それで、全部?」
カンチ「あぁごめん。」
リカ「んんん、ほんとのこと言ってくれて、うれしい!許してあげる!その代わりさ、愛媛、連れって!」
カンチ「うちの田舎?」
リカ「うん」
リカは、また飲み物を入れようと、戸棚からカップを取り出します。
リカ「そうだ、夜汽車に乗ってさ」
カンチ「夜汽車って」と、ちょっと呆れる。
リカ「うん、行こう!」
朝、出社しようと会社へ歩くカンチに、渡辺が「カ~ンチ!」と呼び止めます。
カンチ「やめてくれよ」
渡辺「二人だけの呼び方にしってってか?どうよ、新婚生活の方は?カンチ?リカリン?なんて、呼び合ってるのか?」
カンチ「呼んでないよ!」
するとリカがやってきて「カンチ!おっはよっ」
渡辺「にくいね、若旦那!」
リカ「いつ行く?いつ行く?」
渡辺「おや、お二人でおそろいで旅行ですか?」
リカ「カンチの田舎」
渡辺「ほおーご実家に?するってーと結納とか」
リカ「そうそうそう」
カンチ「お前なぁ」
リカ「冗談に決まっているでしょ!あー楽しみっ」
お遊戯をしているときこのところへ、三上が現れ「よっ」と声をかけられます。
ときこは、さっと保育園の中に入って、ブラインドを閉めます。
さとみ「どうしたの?」
ときこ「彼、来てる」
そういって、ブラインドの隙間から、三上がいるのを確かめます。
ときこ「さとみに見られたこと、まだ知らないみたいだね。どうする?」
さとみは、無言でときこを見ます。
ときこは「わかった」
さとみが、ごめんねというと、ときこは三上のところへ行きます。
リカは、カンチの席で何かを書いています。
カンチは「俺の席だ」
リカは、石井に「カンチのはんこある?」
と聞いて、はんこを受け取ると、永尾完治の名前を書いた、休暇願にはんこを押します。
カンチは、それを見て「会社を休んでまで行くなんて、言ってないだろ」とリカに小声でいうと、休暇届をリカの手から奪います。
するとリカは、カンチの机から、資料を横取りして外へ出ると、カンチは、そんなリカの後を追っかけて外へ出ます。
二人の様子を見ていた渡辺と石井は「愛があるねー」と言って、渡辺は石井の肩を抱こうとしますが、石井に手をはねのけられます。
リカは手に持った資料を「これと交換」
カンチ「大事な仕事なんだよ」
リカ「これだって、大事だよ」
カンチ「どこが?」
リカ「私たちの愛がかかってるんだもん」
カンチ「こんな紙切れ、そんなもんかけんなよ!」
リカ「そんなもん」
カンチ「こんな紙切れに、愛とかあるってもんじゃないだろう?」
リカ「じゃあ、どこにあるの?見せてよ。カンチが私を好きだって証拠を」
カンチ「ここで?」
リカ「そう!なーにエッチなこと、考えてるの?違う!」
カンチ「じゃあ、俺にどうしろっていう?」
リカ「どうしろって、そんなこと、いちいち私が言わなきゃ、いけないわけ?」
そういって、リカは紙を階段の下へ放り投げます。
カンチ「あっ!!!」
リカ「落ちてく、落ちてく、私たちの愛のように」
カンチ「お前な!あとで話してやっから待ってろよ!」
リカ「いっつも待っているよー」
さとみは、一人保育園にいます。
みどりが「リーカ!」と呼ぶとすかさずリカは「行かないよ」
みどり「まだ、何にも言ってないんですけど」
リカ「そんなカラオケばっか行って、ポリープできるよ」
みどり「もう、大丈夫、一回切ったもん♪」
リカ「今日は、そういう気分じゃないの」
カンチは、三上を待っています。
そこへ三上が現れ店員に「ビール」
カンチ「今のジンジャーエールにしてください。」
三上「おい、何言ってんだよ」
カンチ「今日は、アルコール抜きで話あるんだ」
三上「何、またあれか?さとみのことか?だいじょうぶだって。あれ以来、うまくやってるよ。さっきまで、さとみといたんだぜ。お前に呼び出されなかったら、今頃、ベッドの中だ。何、怒ってんだ。」
カンチ「関口、見たんだぞ。お前が、他の女と抱き合ってるとこ。どういうつもりだ。
俺は、もう知らねーからな。」
三上「まずかったかな?おい、お前も一緒に言い訳考えてくれよ。俺、もう手持ちの言い訳、全部使い果たしちゃったよ。」
するとカンチは立ち上がり、三上の頬を一発ぶん殴ります!
そこへリカとみどりが入ってきて、みどりが「あれ、永尾君じゃない?」
リカは「あーあ、いないと思ったら、こんなところでケンカしているよ。あっちょっと痛そう」とカンチの顔を見ます。
リカ「三上君も痛い」
カンチの家に帰ると、リカはカンチの傷に薬をつけています。
カンチ「いてーいてーって言ってんだろ!」
リカ「男の子でしょう。殴り合いしているときは、痛いなんて言わないくせしてさ」
カンチ「そんな、押し付けんなよ!」
先に手当してもらった三上は、顔を痛そうにしています。
リカ「せっかく手当てしてやってんのに、何、その偉そうな態度。」
カンチ「誰も、頼んでねーだろ。だいたいなんで、こんなやつまで連れてくんだよ。」
リカ「しょうがないでしょ。三上君、他に行くとこないんだからさ。はい、できあがり!」
カンチ「いてっ!」
リカ「結構、似合うよ。二人とも。明日のジョーみたい。さぁってと」
三上「帰るの?」
リカ「うん」そういって、ジャケットを取りに行くリカ。
三上「あれ、俺もう消えるからさ」
リカ「いいの、いいの、今、カンチとケンカ中だから。殴り合っている所、カッコよかったから、手当だけはしてやったけどさ。」
三上「あっそう。じゃ俺が、かわりに成敗しといてやるから。原因は?」
カンチ「こっちの話は、すんでねーだろ」
リカ「話だけならいいけど、今夜はケンカしちゃだめ!」
三上「永尾に言ってやってよ。こいつは口下手な分だけ、手を出すのは早えーんだから」
するとカンチは、三上に向かっていこうとします。
リカは、すかさず三上の前に出て、カバンを取り、「じゃーね!」と言って、家を出ます。
外に出たリカは、カンチの部屋に向かって「グンナイ」
三上は、缶ビールを飲みながらテレビを観ています。
カンチ「いつまで、ここにいるつもりだよ。」
三上「そうだな。そろそろ寝るとするかな。毛布あるかな。」
カンチ「ここで寝る気かよ」
三上「男同士で、ベッドに寝るワケいかねーだろ。」
カンチ「違う、自分ち帰れ!って言ってんだよ」
三上「さとみの部屋か。そんな長くいないからさ。いいじゃねー」
一人、リカは部屋にいると電話がかかってきます。
「もう、寝てまーす」そうつぶやいて、電話に出ようとしません。
カンチは、リカが電話を出るのを待ちますが、三上が「カーンチ」と呼ぶと、電話を切ってしまいます。
三上「電話か」
カンチ「トイレ」
三上「かけてやれよ。聞いてないからさ。」
カンチ「うるせーや、このやろー」
会社で、リカは商品を持って、倉庫へ行こうとすると、みどり「7番に電話!関口さんから」
リカ「もしもし、お電話かわりました。」
さとみが電話を切ると、その様子を見ていた、
ときこは「彼のところ、電話したの?」
さとみ「ううん、リカさん、永尾君の彼女。」
ときこ「それってさ、もしかしてさとみ。三上君と別れて、永尾君を譲ってもらおうと思うワケ?」
さとみのなんとも言えない表情に、ときこは「アハハ、冗談よ冗談。どうしたの?」
さとみ「私、ひどいことしてたのかなって。」
ときこ「ひどいことされたの、さとみの方じゃない。」
さとみ「永尾君とリカさんに、甘えすぎてた。」
ときこ「あー」
さとみ「三上君と、どうするにしても、はっきりさせようと思うから。その前に、ちゃんとリカさんに謝らなくっちゃ」
ときこ「律儀だね。」
さとみ「茶化さないで。もう永尾君には頼れないの」
万年筆でノートをとる三上。
すると長崎が現れ「この間は、酔っ払っちゃって。」そう言って、去ろうとすると
三上「とんでもないお嬢さんだよな。おかげで、こっちは・・・座れよ」
そういうと長崎は、三上の後ろの席に座ります。
三上「で、お父様には言ったのかな。結婚を辞めますって。おい、今度、そのフィアンセとやらに会わせろよ。俺が品定めしてやる。」
長崎「するわ。結婚。この間は、酔ってたし。」
三上「何言ってんだよ!したくないって、親の言いなりで、好きでもない男と、結婚なんてしたくないって。お前、そう言ってたじゃねーかよ!」
長崎「なによ、あなたには関係ないことじゃない。あなたには、あなたには、あんなステキな人がいるじゃない。」
三上は、長崎に、キッと怒りをあらわにします。
公園でリカを待つさとみに「さとみちゃーん」とリカの声。
リカは、大きく手を振って、焼き芋屋さんを呼び止めます。
リカとさとみは、公園のベンチで焼き芋を食べようとしています。
リカ「こんな、おっきいのもらってラッキ!」
さとみ「急に、電話なんてして、ごめんなさい。」
リカ「いいの、いいの、こういうお昼もいいね。」
さとみ「謝ろうと思って。」
リカ「何を?」
さとみ「永尾君に、いろいろ迷惑をかけちゃって」
リカ「いいの、いいの、あんなやつ、じゃんじゃん迷惑かけちゃって」
さとみ「リカさんにも」
リカ「私?」
さとみ「ごめんなさい」
リカ「迷惑って、もしかしてさとみちゃん、私に不幸の手紙送ったりした?まじめすぎるんだよ。さとみちゃんはね、まじめすぎるんだよ。たまには、羽目外してさ、三上君に、やきもち焼かせるくらいのこと、しなきゃ!あーいう人、好きんなっちゃたんだからさ。間に強く出なきゃ。」
さとみ「どんなふうに?」
リカ「だから、浮気したら、ばーんってひっぱたいちゃうからとかさ。」
そういうと、リカは、お芋をつまらせ、さとみは「大丈夫?」
リカ「だいじょうばない。」
リカは、お茶を飲んで「あー助かった。今度ね、愛媛に行くんだ!」
さとみ「愛媛って、私たち」
リカ「そう。どんなとこかなって」
さとみ「何にもないところよ」
リカ「いいの、いいの。さとみちゃんさ、思い出いっぱいあるでしょ?カンチと、三上君と、さとみちゃんと、思い出いっぱいあるでしょ?だから!」
さとみ「でも、三上君と出会わなければ、こんな切ない気持ちなんて、一生知らずにすんだのかもと思う」
リカ「でも、恋すら、一生知らなかったかもしれないよね。出会わなければいけなかった人って、いないよ。」
さとみ「ありがとう」
リカ「ん~ん、何が?」
さとみ「私ね、もう決めたの。三上君と、別れる。」
リカ「そう」
二人は、ブランコをこぎ始めます。
ローファーに白のソックスを履いたリカは、一人歩みをとめ、元来た道を歩き出します。
会社につくと「カンチー!」
カンチ「悪い、これから外回りなんだ」
リカ「大丈夫、明日行くことにしたからね」
カンチ「なに、それ?
リカ「愛媛に決まってんじゃん。明日から休みとってさ」
カンチ「今からじゃ、無理だよ。」
リカ「今じゃなきゃ、無理なの」
カンチ「なんで、なんでそんな急いでいきたがるんだよ。」
リカ「いいーんじゃん、行きたいんだからさ」
カンチ「今すぐ行きたい、ワケ述べなさい。なんかあったワケ?」
そこへ渡辺が「おまた~せ」
リカ「とにかく、明日行くから、絶対だからね!」
そういって、オフィスに戻っていきます。
渡辺は「くー完全に憎いね。」
カンチ「違うよ」
さとみの部屋で電話がなります。
三上「あっ帰ってた?」
さとみ「あっうん、今」
三上「そうか、結構散らかってんだろう」
さとみ「うん、けっこう」
三上「悪りぃ。絨毯にさ、タバコの焼け焦げつけちゃったんだよ」
さとみ「あぁうん」
三上「悪りぃ。あと醤油のしみ、悪りぃな」
さとみ「三上君、さっきから謝ってばかり」
三上「そうか?あともう一つ謝んなきゃならないことあるんだよな。永尾から聞いたんだけどさ」
さとみ「ねぇ三上君、明日さ空いてる?」
三上「空いてるけど」
さとみ「会いたいの。明るいうちに会えるかな?」
三上「いいけど、お前はいいのかい?この間の女のことで、なんか」
さとみ「いいから」
カンチの部屋で、何度も玄関のベルが鳴ります。
カンチは起き上がって、玄関に出ようとベッドから出ると、居候の三上を踏んでしまいます。
三上「いてー」
カンチ「まだ、いるのか?」
三上「誰か来たのか?」
カンチ「こんなしつこく鳴らすやつって言ったら、世界中に一人しかいねーだろ」
カンチは、そう言って、ドアを開けると
リカ「グンモーニング!」
カンチは三上を見て「なっ」
リカ「何、何?私来るのわかってたワケ?心が通じ合ってるんだね。迎えに来たんだよ!」
カンチ「まさか、これから愛媛に行くとか言うんじゃねーだろうな?」
リカ「ピンポーン!おめでとうございます!愛媛、松山道後温泉一泊旅行が当たりました!しかも、こーんなかわいい女の子も、一緒!」
カンチ「そんな冗談、やめてよ」
リカ「行くって言ったじゃん」
カンチ「それは、お前が勝手に言ってたんでしょ?」
三上「なに、愛媛なんて行きたがっているの?何にもねーとこだぞ。」
カンチ「おー言ってやって」
リカ「行くの」
カンチ「わかった、わかった」
リカ「ほんと?」
カンチ「来月、行こう」
リカ「だめ、今!今行かなきゃ意味がないの」
カンチ「何の意味だよ?」
リカ「だから」
カンチ「だから?」
リカ「もういい。ちょっとからかってみただけ。私が明日旅行へ行ってあげるって言ったらさ、カンチ喜ぶかなーと思って」
カンチ「だからさ、行かないとは言ってないだろ?なんで、こんな急に行きたがるの?」
リカ「いいよ。男二人で朝、起きないと思って、来たけど。おやすみなさーい!」
リカは、そういって、布団のかたづけを終えると、カンチの顔の絆創膏をはいで、帰ってしまいます。
三上「あーいう、言い方ねーじゃねーか」
カンチ「お前に、言われたくない」
三上「今日、会うよ」
カンチ「関口とか?」
三上「あぁ」
カンチ「ちゃんと話合えよ」
三上「わかってるよ」
和賀がカンチに「先方が、夕方までには取りに来たいと言っている。それまでに用意しろ」
カンチ「はい」
和賀「永尾、お前、最近疲れているみたいだな。」
カンチ「このところ、接待だなんだで、いろいろ忙しかった」
和賀「赤名のことだよ。最初に言っといたはずだぞ。あいつは、そう簡単に、つきあえるような女じゃない」
カンチ「あっはい」
和賀「あいつは、あいつの全部で、ぶつかってくる。よそ見なんてしてるもんなら」
カンチ「機嫌悪くて」
和賀「機嫌の悪いうちは、まだいいんだ。それはあいつの黄色信号なんだよ。あいつの機嫌の悪さは、いつも淋しさの裏返しだ。赤信号は、ないぞ。その前に、赤名はいなくなる。ある日、突然にな。」
そう言って、和賀は、カンチの前から立ち去ります。
カンチは、リカを外へ呼び出します。
カンチ「あんな急に愛媛へ行きたいって言っても、冗談にしか思えないじゃないか。俺だって、入社して間もないし、そんな簡単に休むなんて無理だよ。」
リカ「無理してよ。」
カンチ「はっ?」
リカ「無理して欲しいの。カンチに無理して、連れてって欲しいのになぁー」
カンチ「ほら!あれだよ。そう、明日さディズニーランド行こう。俺、まだ行ったことないしさ。スペースマウンテン乗ろうよ!リカさ、ミッキーマウスの帽子かぶれよ。結構似合うんじゃないかな。」
リカは、黙ってカンチの前から立ち去ったかと思うとカンチに「ねぇ今日、さとみちゃん三上君と会っているんだよ。」
カンチ「あぁ知ってるよ。」
リカ「知らないの?」
カンチ「だから、知ってるって」
リカ「違う、今日、さとみちゃんが三上君に会うのは、別れるためなんだよ。あの二人、別れちゃうんだよ。」
さとみと三上は、晴海埠頭公園にいます。
三上「永尾から聞いたよ。見たんだってな」
そう言って、さとみの顔をのぞきこむように三上は問いかけます。
三上「もう、いいわけはしない。悪りぃ」
さとみ「苦しかった。今日まで、いろんなことがあったけど、きっとみんないい思い出になるよね。」
そう言って、三上の顔を見るさとみ。
三上は強ばった表情で「はっきり言えよ。別れるっていうのか?」
さとみ「笑って、別れよう。お願い」
三上「お願いじゃないよ。勝手に決めんなよ!」
さとみ「じゃ、誰が決めるの?三上君決めるっていうの?あんなことまでして。三上君、まだ私に信じろって言うの?」
そういうと、さとみは振り返って歩き出します。
三上「おい!」そういって、さとみの後を追いますが、さとみは「こないで!そこで見送ってて。」
三上「やだよー!!!おーーーい!!」
三上は、絶望して、頭を垂れます。
カンチは、会社でリカと会いますが、リカは、そ知らぬふりをして、カンチの横を通りすぎていきます。
リカは、みどりとバーで待ち合わせ。
すると、そこには三上がいました。
リカは、三上に声をかけます。
リカ「まぁ、そんなに飲んじゃって。」
三上「まぁ座れよ。一緒に飲もうぜ」
リカ「ふられた?」
三上「ばれた」三上は、グラスを一機に飲み干します。
リカ「それ、ストレートでしょ?飲みすぎだよ。さとみちゃんは?」
三上は、酔っているのか、飾ってある花を一枝折って顔にこすりつけて「知らない」
さとみは、ひとり部屋でぼーっとして、思い出の写真を伏せます。
リカは、カンチのところへ電話をかけます。
「三上君と一緒にいるんだけど、三上君すっごい落ち込んでいるの。きっとさとみちゃんは、もっと。こっちは、私が、なんとかするから。カンチ、さとみちゃんの方、お願いね。」
カンチ「はぁ?」
リカ「行ってあげな」
カンチ「何言ってんだよ。俺、そんなつもり全然」
リカ「だって、同級生じゃない?一緒に仰げば尊し歌った仲なんでしょ?」
カンチ「だからって、お前が、そんな気を遣うこと」
リカ「私は、歌ってないけどさ。でも何たって、私は、カンチの彼女なんだし、三上君とも、さとみちゃんとも友だちなんだし、いいよね?愛媛、行けなかった分さ、私にも同級生っぽいことさせてよ。ねっ?私にも、同級生の仲間入りさせて。じゃあ切るよ。まかせたね。」
店を出る三上の後を追う、リカ。
三上は、車に乗り込むと、リカが「行かせない!」と三上の車の前に立ちます。
さとみに電話をするカンチですが、さとみは電話に出ようとしません。
三上を乗せて、リカは車を運転します。
三上「おいおい、あんまり飛ばすなよ!俺より、危ないんじゃないの?殺すなよな」
リカ「私だって、三上君なんかと心中したくありません。カンチが泣くじゃん」
カンチは、さとみの部屋を訪ねます。
港に立つ三上に、リカは「三上君」と呼んで、飲み物を投げ渡します。
三上「いいのかよ。俺とこんなところにいて。」
リカ「うん?」
三上「永尾が妬くぞ」
リカ「カンチ、今さとみちゃんのとこ行ってるから。」
三上「なんで?」
リカ「なんでって、私もこうして三上君と一緒にいるでしょ?」
三上「お前、妬いたりとかしないワケ?」
リカ「妬くよ、そりゃ」
三上「だったら」
リカ「私が、カンチでも同じようにしたと思う。」
三上「俺が、永尾なら、お前をひとりにはさせはしないよ。」
リカ「そーんなこと今言っても、ウソっぽいよ。」
三上「そうだな。やけになっているから、お前をそこへ押し倒すかもしれないぞ。」
リカ「ウソだ」
三上「俺は、好きな女を泣かすことしかできなかった。サイテーの男だからな。」
リカ「三上君、まださとみちゃんのこと好き?別れたくない?それなら、それならどうして、さとみちゃんのことだけ見てなかったの?どうして、二人っきりじゃだめなの?どうして?」
三上「わかんねーよ。俺にもわかんねーよ。どうしてこんなことになっちまったんだ。」
さとみの部屋で、カンチは、4人で撮った写真を目にする。
さとみ「三上君と、別れちゃった。」
カンチ「そっか」
さとみ「知ってた?そっか、だから来てくれたんだよね。だいじょうぶ、そんな落ち込んでないよ。」
カンチ「なら、いいけど」
さとみ「別れる前の方が、もっとつらかったから。なんか、ほっとしちゃった。もうダメかなって思ったことも、何度もあったし。私以外に、誰かいても、せめて一緒にいるときだけでも、私のこと好きでいてくれれば、がまんできると思ってた。がまんしたの。でも、くじけちゃった。私、前より、少し強くなったつもりでいたのに。」
カンチ「そんなことない。関口、悪くないよ。悪いのはさ」
さとみは、横に首をふって「私のせい。三上君のせいにして、私をなぐさめてはいけないと思う。」
さとみはやかんのお湯を紅茶に注ぎますが、ぼーっとしているのか、お湯があふれます。
さとみの様子に、カンチは近づくと、さとみは「どうしよう」
カンチ「泣いちまえよ」
さとみ「永尾君の前で、こんな涙、見せたくない」
カンチ「もう、我慢しなくていいんだから。泣いちゃえよ。泣けばいいんだよ。」
さとみは、カンチの胸に顔をうずめ、泣き出します。
リカは、車を停めて、外へ出ます。
三上「ここでいいのか?」
リカ「買い物して帰る。三上君は?」
三上「永尾に、どういう言い訳するか考えなきゃな」
リカ「そうだね。少し頭、冷やした方がいいよ。じゃあねっ」
カンチは、複雑な表情でひとり、夜道を歩きます。
カンチが部屋へ戻ると、三上から電話が来ます。
三上「今、リカと別れたとこだ。もうすぐ帰んじゃないか。ちゃんとやさしく迎えてやれよ。おい、聞いてんのかよ。」
カンチ「うるせーな。おめえの話、聞けるかよ。」
三上「わかってるよ。けど、まぁ彼女の気持ちも少し考えてやれよな。彼女が、お前をさとみんとこに行かしたのは、お前が好きだからだ。彼女が、俺をなぐさめたりするのも、お前が好きだからだ。愛媛のことにしても、そうだ。あそこに行くことによって、彼女は、お前との隙間が埋まると信じてたんだ。」
カンチは、おもむろに電話を切り「わかっているよ」とぼやきます。
カンチは「わかってる」と、寝転んで、床をたたくと、コンビニの袋に入っていた使い捨てカメラに気がつきます。
「明日から、行くからね」リカが言った言葉を思い出します。
使い捨てカメラの他にも、歯磨きセットと、2人の航空チケットが出てきました。
ひとり、ご機嫌に歩いてカンチの家に向かおうとするリカ。
カンチは、家の前で待っていると、リカがやってきます。
リカは「待っててくれたの?温かいでしょ?肉まん3つ買ってきた。1つは、半分こしようね?ちょっと元気になったみたい。そっちどうだった?カンチ?」
カンチは、リカをふいに抱きしめます。
リカ「えっ?どうしたのカンチ?顔つぶれちゃうよ」
感想
渡辺のセクハラ?
当時、セクハラなんて、言葉はありません。
リカとカンチの様子を、生暖かく見守る渡辺は、どさくさに紛れて、石井の肩を抱こうとしますが、冷たく手をはねのけられてしまいます。
おそらく今、こんなことをしたら、手をはねのけるだけでは、すまいないでしょう。
三上飲酒運転の疑い
さとみと別れ、いつものバーで、ひとりやけ酒を飲んでいる三上に、リカが現れ、心配したリカは、カンチのところへ電話をします。
その隙に、三上は、車に乗って、帰ろうとしますが、あれっ?三上君は、飲酒運転するつもりなの?と管理人は疑問になります。
確かに、いまほどうるさくはなかったと思いますが、それでもマズイです。
その後、三上とかわってリカが車の運転をしたので、一安心と思いきや、途中で買い物するからと、リカは、車から降りるではありませんか!
三上は、その後、車を運転したのでしょうか?
今だったら、苦情の荒らしとネットで祭りになっているでしょう。
使い捨てカメラ
今のように、スマホにカメラがついてる、そんな代物はありません。
もちろん、ちゃんとしたカメラはありましたが、どちらかといえば、使い捨てカメラを便利に使っている人も、少なくなかったころです。
リカは、カンチと愛媛に行くつもりで、使い捨てカメラまでも、用意していたのでした。
けなげなリカ
リカは、かわいくて、賢い子なんです。
さとみの留守電メッセージを聞いて「落ち着こう」と気を取り戻し、カンチとの約束が果たされると信じて、カンチの実家から送られたみかんを食べ、カンチが帰ってくるリカは、なんて健気なのでしょう。
さとみの成長
カンチは、リカとつきあっているのに、なんのお構えもなく、ことあるごとに、カンチに相談をしてきたさとみですが、三上との一件で、ようやく自分が見えるようになったのか。
リカに謝ろうと、ときこに言い出します。
それは、三上との別れも意味しているようです。
焼き芋屋さん
さとみからの電話に、三上との関係のことだろうと察したリカは、待ち伏せするさとみのために、焼き芋屋さんで焼き芋を買い、さとみと二人で、公園のベンチで食べます。
いいですねー!!
この感覚。
別に、昔からの仲の良い友だちと言うわけでもないのに、このリカのさりげない、気遣いが素敵です!
三上との別れ
とうとう、さとみは三上と別れる決心をします。
自信がないながらも、ずっと、三上のことを好きだったさとみ。
やっとつきあえて、幸せの絶頂をかみしめたのも、つかの間。
さとみのような生真面目な子に、ナンパな三上は、違うのかなと思います。
なにか、憧れのようなものがあったのかもしれませんが、現実を思い知ったさとみに、三上への未練は、もうありません。
三上は、さとみの生真面目なところをわかって、安心していたのかもしれません。
まさか、さとみから別れを言い出すなど思いもしなかった三上は、叫びます。
三上なりに、本気だったのかもしれません。
自分から裏切ることはあっても、さとみから裏切りなどないと思っていたのでしょう。
三上の苦痛に満ちた表情が印象的です。
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