2018年10月11日(木)第2週「…会いません。今は」
あらすじ
3月も半ばを過ぎたころ、福ちゃんは、萬平さんに紹介してもらった病院に転院した咲の病状が快復に向かっていることなど、お礼の手紙を書きます。そして鈴の失礼な態度をあやまり、今は聞く耳を持たないが、萬平と会えることを願っているとつづります。
萬平は、鈴の反対を押し切るのではなく、咲の全快を待つことにします。
お義兄さんで画家の忠彦さんは、春なのに外に出られないから、ときれいな桜の絵を描いて贈ってくれました。
そんな中、鈴は福ちゃんに、自分はお父さんの夢のために苦労させられたので、自分で会社を経営している萬平とのつき合いを、反対すると話します。
家族の思いを受けて回復の兆しをみせていた咲姉ちゃんでしたが…
参考:Yahoo!テレビ
前置きレビュー
萬平を待つ
萬平さんが、鈴に咲が元気になったら、正式に結婚を申し込むと言って、激しく雪が降る中を家路へ向かう萬平の姿が浮かびます。
それから2か月以上も、福ちゃんは萬平さんと会っていません。
どんなに淋しいかしれませんが、今はひたすら咲の病状が快復するのを待たなくてはいけません。
せめてと萬平さんに手紙をしたため、気持ちをまぎらわすしかない福ちゃんですが、萬平には、そんな情感あふれる福ちゃんの手紙に、自分の想いをあらためて固めます。
こんな意思のしっかりした萬平さんに大切にされる福ちゃんは、幸せです。
結核
当時、結核は、不治の病とされていましたが、軽い結核の場合は、自然と治ってしまう人も多かったそうです。
とは言え、薬がなかったころは、5年経つと、患者の半数は亡くなります。
3割は自然に治っていたそうなので、はっきりとしたことは言えませんが、咲が快復する見込みがないわけではないようです。
そんな中、克子姉ちゃんの夫の忠彦が、病床の咲のために、新緑の山々に、桜の大木を描いた絵を描き飾ります。
実際モデルとなった安藤仁子さんの次姉の澪子の夫有元一雄は、日本画家で和鳥を描きたくて、庭にシラサギなどを飼っていました。
戦前は、絵の趣味の人に多少は売れていたそうですが、人からの注文に応じるような器用な人ではなかったので、生活が大変だったようです。
ともかく、克子姉ちゃんの夫の忠彦が描いてくれた絵は、見舞っている咲の夫の真一も、どんなに励まされたかしれません。
感想
切ない
スマホのない時代、萬平さんは、福ちゃんから来た手紙を読むことで、今の心境を知ります。
萬平さんに紹介された病院のおかげで、咲姉ちゃんは顔色も良く快復に向かっているように見え、咲姉ちゃんも喜んでいますが、母の鈴が、萬平さんに失礼なことを言ってしまったのを謝りますと、つづられています。
咲姉ちゃんのことが一番心配だとは言え、萬平さんに会えないもどかしさが、伝わってきます。
なんともやるせないです。
忠彦さんの絵
萬平さんのおかげで、転院した咲姉ちゃんですが、落ち着いたのか笑顔がいいです。
そんなところに、克子姉ちゃんと夫の忠彦さんがやってきて、咲姉ちゃんのために描いた桜の絵を持ってきてくれました。
白い殺風景な病室に、忠彦さんの描いた桜の絵が、とっても映えています。
まるで、病室に窓が出きて、そこから本物の桜が見えるかのようです。
見ているだけで、気持ちが慰められそうなピンク色と水色の配色がステキです。
#まんぷく 立花さんの薦めで咲姉ちゃんが転院した摂津病院。ロケ地は兵庫県西宮市岡田山の神戸女学院・理学館でした。ウィリアム・メレル・ヴォーリズによる設計。セーラー服を着た福子たちがお弁当を食べるシーンはこの建物の手前にある噴水のところでロケされていました。?https://t.co/5yNkoD0b7U pic.twitter.com/1UHD7OLrZH
— ひぞっこ (@musicapiccolino) 2018年10月10日
野呂さん迷走?
福ちゃんと萬平さんが親密に話しているのをのぞき見した野呂幸吉さんは、福ちゃんのことを、もう諦めたのかと思いきや、福ちゃんがお弁当を食べていると、また缶詰を持って現れます。
さすがに福ちゃんは、断りますが、野呂は福ちゃんの姉のことを思ってと渡します。
恵さんは、野呂に、もう福ちゃんのことは諦めなさいと言うと、野呂は、ほんとうに福ちゃんの姉が元気になってもらいたいと言って、恵さんにもビーフシチューの缶詰を渡します。
恵さんは、野呂から缶詰をもらう言われはないと言わんばかりですが、すると「聞くなよ」野呂の意味深な一言が気になります。
野呂さんのお次のターゲットは、恵さんで、間違いないでしょう!
頑なな鈴さん
福ちゃんと鈴さんの、いつもの食卓。
鈴さんは、萬平さんに良い病院を紹介してもらったことは、ありがたいと思っているけれど、萬平さんがどんなことをしていようとも聞く耳は持たないと、頑なに否定します。
自分は、どれだけお父さんのために苦労させられたか、切々と語ります。
親って、何度も同じ話しを繰り返して、こんなものだったりするんですよね。
福ちゃんが、イヤになる気持ち管理人もわかります。
そして、ふと鈴さんは「私は、英語教師になりたかったのよ」ともらすと福ちゃん、それを聞いて「えっ?」
ドッキリ発言です。
実際、モデルになった安藤仁子さんのお母さんは、英語ができたそうで、娘には外交官に嫁ぎさせたいと考えていたようです。
当時としては、かなり進んだ考えの持ち主だったと思います。
お父さんの夢を叶えるために、自分の夢は諦めた。
娘には、そんな振り回されるような人生は送ってほしくないと、そんな時代だったんですね。
福ちゃんは、返す言葉がなく、ただ黙るしかありません。
咲姉ちゃんが急変
その夜、咲姉ちゃんの容態が急変して、医師から、もう何日も持たないと説明を受けます。
医師によれば、余談の許さない状態であると、真一さんには伝えていたと打ち明けます。
真一さんは、みんなに心配かけたくないからと咲姉ちゃんに言われたと告げます。
せっかく転院して喜んだのもつかの間、もうどうすることもできな悲しみと絶望感が、ひしひしと伝わってきます。
ただ、旅立ちを待つしかないのかと思うと、覚悟をして、ただ茫然とするしかありません。
病に打ち勝つことができないとき、残酷な現実が待っていると、あらためて思い知らされました。
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