チコちゃんが、岡村さんに「シルバー世代?」と聞くと、岡村さんは「シルバー世代じゃない」と応えました。
チコちゃん「シルバー世代の意味を分かっているってことね?高齢の方とか、お年寄りの皆さん。高齢者という意味で、シルバーと使うよね。なんで?」
岡村さん「白髪が出始めてくると、白髪(はくはつ)と言いますか」
チコちゃん「白髪じゃない人もいるわよ」
「チコちゃんに叱られる!」(2018年5月18日放送)より、まとめました。
なぜ高齢者のみなさんをシルバーという?
たまたま銀色の布が残っていたから~
シルバーの意味は?
詳しく教えてくださるのは、国語辞典を編さんしている飯間浩明さんです。
もともと英語のシルバーには、「高齢者の」って意味はなかった。
1982年発行の三省堂国語辞典の第三版を見ると、シルバーには「高年、老人」という意味があります。
ところが1974年発行の三省堂国語辞典第二版には、高齢者を表す意味はありません。
そもそも「高齢者の」って意味とシルバーを結びつけたのは、国鉄のシルバーシートです。
1973年の敬老の日に登場した優先席の名前です。
列車やバスなどに設置されている優先席。
今から45年前の1973年(昭和48年)当時の国鉄(現在のJR)に登場した「お年寄りや、からだの不自由な方の優先席」は、「シルバーシート」という名前でした。
なぜ優先席は、「シルバー」と名づけられたのか?
現在のJRに問い合わせてみると、当時名前をつけた営業課長の須田さんが、まだいらっしゃるとのこと。
さっそく、須田営業課長に会うためにJR東海本社へ気軽に行ってみました!
案内されたのは、セキュリティーがしっかりした場所でした。
須田営業課長を待つこと5分。
現れたのは、まさにシルバー世代の紳士でした。
須田寛営業課長は、国鉄が民営化された1987年からJR東海の初代代表取締役社長に就任した方でした!
その後、1995年からは、JR東海の代表取締役会長を歴任し、現在は87歳です。
2004年からはJR東海の現役の相談役です。
気軽に電話をしてはいけない方でした。
Q,シルバーシートの名づけ親だと聞いてきたのですが?
A,名づけ親というよりも、そうならざるを得なかった。
ケガの功名みたいなものですね。
NHKたぶんこうだったんじゃないか劇場~シルバーシート誕生の夜明け
1973年7月、国鉄旅客局営業課の須田課長は、「お年寄りのための優先席、その考え方ですすめよう」
国鉄は、この当時、低運賃や快適なサービスを提供する私鉄に流れた乗客を取り戻すべく、あらたなサービスを模索していました。
その予想の一つが、少子高齢化に向けた高齢者のみなさんのためのサービス。
そのプロジェクトを任されたのが、当時の須田課長でした。
「ただ、お年寄りのための優先席を作っただけでは、インパクトがない。
何か話題性が欲しい。」
ふとカレンダーを見て「そうか、9月15日の敬老の日から導入すればちょうどいいな。」
敬老の日まで、およそ2か月ありました。
具体的な優先席の議論が始まります。
須田課長「例えば、一目でわかる色に座席ごとに新しくしてみる。」
社員「課長、座席を作る予算なんてないですよ。」
1972年8月26日付読売新聞では、「国鉄赤字8千億円に」国鉄と言えば、つねに赤字財政が問題になっていました。
須田課長は、せめて座席の色だけでも変えようと考えた。
ところが、そんな全部変えることなど、生地は用意できないと反対されます。
打開策を見つけられずにいると、浜松工場に少しだけ残っている生地があると連絡があります。
それが「シルバー」でした。
当時、新幹線の座席に使われていた生地で、このシルバーの生地が偶然残っていたのです。
須田課長「日本では、味のあるベテランを”いぶし銀”と言うし、お年寄りの中には、髪の毛が銀髪の人もいる。シルバー、ちょうどいいじゃないか」
席の名前は、こうして1973年9月15日、敬老の日にお年寄りやからだの不自由な人の優先席を「シルバーシート」が誕生しました。
シルバーシートを知らない世代 pic.twitter.com/iqOidLuQqa
— あっくん@シンカリオン面白すぎる! (@atsukipkm) 2019年1月18日
その後、シルバーシートのマークと名称は、私鉄やバスにも広まり、「シルバー=高齢者のみなさん」を表す代名詞になりました。
シルバーシートのマークを久々に見てちょっと感動してます() pic.twitter.com/jioNzSfpmO
— 黒鉄 (@Kokutetsu211_0) 2019年1月12日
おまけ
須田寛相談役は、1998年6月にNHK経営委員会委員長に就任しています。(2004年12月任期満了で退任)
NHK経営委員会は、総理大臣から任命されたNHKの経営の基本方針を決定したり、会長を任命したりする機関です。
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