卵の味のするプリンは、大好きなものの一つです。
プリンに欠かせないカラメルですが、ちょっとしたコツが必要なんでしょうが、これを自分で作ろうとすると、難しいんです。
ところで、どうしてプリンにカラメルは必要なんでしょうか?
「チコちゃんに叱られる!」(2019年3月15日放送)より、まとめました。
カラメル
プリンの下にある、少し苦みのあるカラメルですが、そもそもカラメルとは、砂糖を180~190度に熱して作る焦がしたアメです。
ところで、どうしてプリンにカラメルが入っているか?
キレイな形で食べてもらうため~
詳しく教えてくださるのは、西洋菓子の歴史に詳しい、東京下高井戸の「ノリエット」のオーナーパティシエで、日本洋菓子協会連合会公認技術指導副委員長永井紀之さん。
プディングの違い?
そもそもプリンは、イギリスのプディング(つめる料理)が起源です。
16世紀、イギリスのエリザベス女王のもと、世界の海の支配に乗り出していたイギリスにとって、大きな問題は、船乗りたちの食糧事情でした。
限りある食材を無駄にしないために、船乗りたちが作り食べていたのが、プディングです。
当時のプディングは、あまった肉、あまった人参などの野菜を煮込み、冷やして小麦粉などを混ぜ合わせ蒸します。
その後、プディングは、ヨーロッパ各地でさまざまな形が誕生します。
ドライフルーツやナッツ類を入れるクリスマスプディング。
シンプルなパンだけで作るパンプディング(パン・卵・牛乳・砂糖を混ぜ合わせ蒸したもの)
地域によって材料も見た目も全く違うものが誕生しました。
プリンのカラメルはなぜ必要?
そして18世紀から19世紀のフランスで、カスタードプディング、いわゆるプリンが誕生したと考えられています。
当時は、カラメルを使っていなかったと言います。
卵や牛乳、砂糖を混ぜ、それを器に入れ、蒸し焼きにし、冷やした後、周りをナイフで切り取り、お皿に出します。
当時のプリンは、取るとき型の底にくっつき、うまく取り出せず、見た目もキレイではありませんでした。
そこでなんとかキレイに取り出せないものかと、ヨーロッパの職人が、カラメルを使うアイデアを思いつくのです。
固めたカラメルを容器の底に入れ、プリンを作り、取り出してみると、キレイに取り出せました。
カラメルは、西洋菓子を作るとき、良くつかわれる材料だったので、料理人の人たちが、見た目をきれいにするために、試行錯誤する中で、たまたま使ってみたら、キレイに取れたので、それが広まったものと考えられます。
なぜカラメルを入れると、キレイに取り出せる?
カラメルは、水に溶けやすいのですが、この特性を生かしたのが、現在のプリンなのです。
固めたカラメルにプリン液を入れると、水分が徐々に下に行き、カラメルが溶けていきます。
そして蒸している間にも、徐々にカラメルは液体になり溶けます。
さらに冷やしている間も、溶け続けます。
カラメルは、プリン液の水分を吸収することで溶け続けているのです。
液体となったカラメルは、型の底とくっつかないので、キレイに取り出せるのです。
今では、容器に入った食べるモノも売られていますが、プリンのイメージとしてカラメルはつくようになっています。
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