2019年4月4日(木)
あらすじ
圭(大橋吾郎)は、おしんを雪深い村へ連れて行こうと心に決めていました。
年老いたおしんのことが、ふびんでならなかったのです。
雪深い道を、圭はおしんをおぶって、おしんの生家まで連れて行きます。
宿に帰ったおしんは、圭に、「今回の旅は、夢中で生きてきた人生の、途中に忘れてきてしまったものを思い出すための旅なのだ」と明かします。
圭は、これまでおしんの、そんなに激しい姿を見たことがありませんでした。
参考:Yahoo!テレビ
前置きレビュー
大橋吾郎
おしんが、引き取った加代の子、孫の大学生・八代圭を演じるのは、大橋吾郎さん。
本名:大橋泰之
昭和33年(1956年)10月27日生まれ
東京都出身
昭和55年から無名塾で俳優。
学生時代は、1年の1/3を山で過ごした山登りが趣味。
ドラマ「おしん」では、1年間を通して、おしんの80余年の人生を、その土地土地を訪ね回想する形式です。
圭は、おしんと共に旅をして、おしんの心の引き出し役となっています。
おしんが家を出てしまい、その理由を家族はわからずにいたところ、孫の大学生である圭が、おしんの部屋で、こけしを見つけます。
圭は、おしんからこけしの思い出を聞かされたことがあり、そのことから、おしんの行き先を見当つけます。
警察に捜索願を出したらどうかという話も出ますが、世間体もあるからと、もう少し様子を見ることになります。
孫の圭だけは、おしんの行方を確信し、家族にはちょっと旅に出ると言って、夜行列車に乗ります。
銀山温泉
山形県尾花沢市(旧国出羽国、明治以降は羽前国)にある銀山温泉は、奥州街道から10km以上の山奥にあるため長い間秘湯でしたが、おしんのおかげで全国的に有名になりました。
銀が採れる山は足利幕府時代に開かれ、江戸時代の寛永期(17世紀前半)には人口20万から30万を数えるほど栄えました。
正保元年(17世紀中期)から銀の採掘が衰退していき、それに替わって温泉湯治が盛んになっていきます。
おしんが奉公に出た後、1913年(大正2年)の大洪水により温泉街は壊滅してしまいます。
その後、地元財界の力で復興し、その時に現在の大正ロマンな雰囲気の温泉街が作られます。
1968年11月19日、国民保養温泉地に指定されています。
感想
生まれ故郷
おしんの生まれ故郷は、雪深い山村の小さな藁ぶき屋根の家でした。
孫の圭の背中におぶさり、何十年ぶりに目にする、実家は、荒れ果てています。
80を過ぎた老人に、自分の生まれた実家を目にするとは、ただ懐かしいという思いしかないと思います。
後悔
幼いころから苦労を重ねて、ようやく何不自由のない生活を送れることになったとは言え、肝心の跡取り息子の振る舞いに、このままではせっかく築き上げたものも、いつかつぶれてしまうと、おしんは予期します。
いったい、どこで間違って、こうなってしまったのか。
高齢の身には、重いことだと思いますが、死ぬ前に納得する答を得ようと、居ても立っても居られなくなったのだと思います。
思い出
おしんが思い出すのは、7つだったころのことです。
自分が、すぐこの後、奉公に出てしまうのですが、そんな苦労を知らない頃のことです。
貧しいながらも、奉公から帰ってきたお姉ちゃんの顔を見ながら、みんなでご飯を食べたことが、とてもうれしかったのです。
兄弟がたくさんいることで、貧相な食事をみんなでかきこんで食べていたので、貧しさの意味もわからなかったんですね。
そんな遠い日のことを思い出しますが、今は目のまえに血のつながりはないけれど、孫の圭が、おしんを見守ってくれることに、満足しているようです。
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