2019年5月9日(木)
あらすじ
加賀屋で初めて迎えるお正月です。
おしんは9歳の年になります。
元日おしんは、大奥様(長岡輝子)とみの(小林千登勢)から贈られた、お加代さまとおそろいの晴れ着を着せてもらい、お加代さまと並んで祝いの膳につきます。
初詣のとき、おしんは、男たちにしなだれかかり、騒ぐだらしない女(泉ピン子)を見かけます。
母がいるはずがないと思いながらも、自分を見る母の顔がおしんの脳裏から消えませんでした。
そんなおしんに、大奥様は優しい言葉をかけるのです。
お加代さまが、洋服を買って欲しいと言っていると、大奥様は、そんなお加代さまの言うことに耳を傾けず、おしんに大根飯を作らせます。
参考:Yahoo!テレビ
前置きレビュー
晴れ着
おみのさんは、お加代さまを電信柱から守ってくれたことで、おしんに並々ならぬ感謝をします。
そのお礼にと、お正月に、お加代さまと同じ晴れ着を買ってくれます!
大奥様にとっても、お加代さまは、加賀屋の跡取りだと言うのに、勉強嫌いで困ったと思っていたところへ、おしんに刺激されて頑張るようになり、雇った甲斐があったと思ったのだと思います。
帯は大奥様が、買ってやると言ってくれます。
おしんは、娘同然の扱いを受け、前の奉公先とは別格なことは言うまでもありません。
前の奉公先では、おつねさんにしごかれて、おしまいでした。
こんなうれしいことはないと思うのですが、今までの自分の境遇を思うと、破格なできごとで、おしんは現実を素直に受け入れられません。
加賀屋さんのお正月
去年は、俊作と松じいとのマタギのお正月でしたが、今年は違います。
「マイフェアレディ」か、はたまた「プリティウーマン」です。
加賀屋さんのようなところの奉公だったら、家で手伝いするより、奉公へ行った方がいいかもしれません。
大竹しのぶさんの「野麦峠」の製糸工場よりも、ぜんぜんいいと思います。
あまり悲惨なエピソードばかりだと、真に受けてNHKにお米を送ってくる人がいたので、橋田壽賀子さんの忖度だったのかもしれませんね。
感想
豪華なお正月なのに
お加代さまと同じ艶やかな晴れ着を着せてもらい、髪もキレイに結ってもらい、こんな幸せなことはありません。
それにしても、加賀屋さんのお正月ですが、金屏風を前にして、金屏風なんて結婚式だけかと思っていましたが、お金持ちの商家は違うんですね。
清太郎が、あいさつをすませ、「あとは無礼講だ」というと、おしんは、「今年は母ちゃんが出稼ぎに行っているから、ロクな正月できねえだな」また、こんなところで、正直に思ったことを言いだしますが、誰か、ちゃんと教育してあげて。。。
ふじに戸惑う
せっかくキレイな晴れ着を着て、お加代さまと初詣に行ったと思ったら、母のふじが酔った男たちと一緒にいるところに遭遇します。
しかも、母のふじは、おしんに気づきますが、その表情がなんとも言えません。
おしんも、よほどショックだったのか、脳裏から消えないというのですが、自分の父親以外の男と楽しそうにしているところ見てしまい、見たくないものを目にしてしまうなんて、つくづく幸が薄いなと思ってしまいます。
楽しいはずのお正月が一変して、晴れ着もサッサと着替えて、初めてのカルタも気持ちが沈んで浮かない表情です。
清太郎が、表にあやしい女がいると聞きつけて、おしんは咄嗟に母のふじだと思い、外へ出ると案の定ふじがいました。
こんな格好では、加賀屋さんにちゃんとあいさつにも行けないからと、母のふじは声をひそめて、おしんに話しかけますが、どれほどおしんに会いたかったことか。
おしんは、母のふじが少しやせ、男といるようなところを見るのはつらいから、今の仕事を辞めて欲しいと頼みます。
母のふじは、雪が解けるまでの辛坊だと返しますが、冬の農閑期だけの仕事なので、これはウソではありません。
ふじは、おしんや父ちゃんに顔を合わせられないようなことはしていないとキッパリ言います。
幼いおしんが、奉公先で苦労を強いられているだろうと心配をしていましたが、加賀屋のお嬢さんと同じ晴れ着を着た姿に、だいじにしてもらっていることがわかり安心したと言って、お小遣いを渡します。
ところが、おしんはばあちゃんが、帰るのを待っているから、ばあちゃんのために何か買ってやってくれ、早く帰ってやってくれと、自分のことよりも、ばあちゃんを気遣うおしん偉いです。
別れ際に、おしんはふじにここぞとばかりに抱き着きますが、お金よりも、おしんはふじに甘えたいのです。
切ない。。。
いくら足取りが重くても、母のふじは帰ってしまい、一人しゃがみこみ泣きますが、大奥様は全てお見通しです。
「女というのは、自分のためだけに働いているのではない。みんな親や亭主や子供のために、つらいこと我慢して頑張っているんだ。ちょっとでも自分のことなど、考えないでな。それが、女ってものなんだ。お前のお母さんも同じだ。お母さんが、どんなことをしていも、消して悪く思うんじゃない。」
大奥様は、奉公人だからと言って、そっけない態度ではなく、幼いおしんに寄り添ってくれて、こんないい人いません。
やさしい大奥様は、ふじの立場もわかるので「おっかさん、つらかったんだろうな」と言います。
固まってしまっているおしんに、「おっかさん、大事にしてやるんだぞ」と、大奥様の言葉が力強いです。
若奥様に信頼されるように頑張りますが、それに甘えることなく、奉公人の分を厳しく守って、今まで以上に働くおしんは、次第に加賀屋になくてはならない存在になります。
ひとえに、大奥様との信頼関係があったからこそかなと思います。
大根飯
お加代さまが、洋服というものを買って欲しいと、また駄々をこね始めました。
大奥様は、高いとか安いの問題ではなく、お加代さまの根性が気に入らないと言うと、「それなら、学校へ行かない」と泣いて部屋を出て行ってしまいます。
大奥様は何気なく、おしんに大根飯を作るように頼みますが、加賀屋さんのような米問屋で、大根飯を作ってどうするのか不思議です。
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