2019年5月18日(土)
あらすじ
おしん(田中裕子)の縁談で、加賀屋のくに(長岡輝子)から呼ばれ、田舎から出てきたふじ(泉ピン子)はその夜、おしんと母娘水入らずの座敷に枕を並べます。
おしんはふじに「私には好きな人がいるから、縁談を断ってほしい」と訴えるのですが、ふじは決して認めません。
結納など、結婚への準備が進むなかで、お加代さま(東てる美)が、浩太からおしんへの手紙を盗み読んでしまい、お加代さまが砂丘で浩太(渡瀬恒彦)と再会することになり。
参考:Yahoo!テレビ
前置きレビュー
女丁持(おんなちょうもち)とは
おしんは、加賀屋で奉公している間は、お金などいらないと言って、そこで稼いだお金は実家に仕送りしています。
考えてみたら、この当時、農薬などないので、米に悪い虫がついたら、その分、収穫量が減るのです。
ただですら、収穫量が減るのに、5割も年貢として納めないといけないので、娘の奉公での現金収入がどれほどありがたいか、竹造は良く分かっています。
おふじさんは、おしんからの現金収入に頼っているつもりはなく、おしんの縁談がどれほど良いのかわかるので、自分がまた出稼ぎに行くから嫁に行けと話します。
出稼ぎと聞いて、また銀山温泉で酌婦なのかとドキッとしますが、加賀屋さんのお世話で、女丁持(おんなちょうもち)をやらせてもらえることになったと言うのです。
女丁持(おんなちょうもち)とは、なんぞやと思ったら、1個60kgの米俵を5つ、つまり300kg 背負う、女性の運搬屋さんのことを言います。
おしんが最初、加賀屋さんに2年の年季奉公で契約した米5俵と同じ量を背中に背負うのです。
子供おぶりながら働いた は必ずしもそうではないと思います。例えば販女(行商)や女丁持(港湾労働者)は重い荷物を背負いますので。この間の子育てはコミュニティで手隙の老人や子供が行っていました@YS_GPCR @SagamiNoriaki pic.twitter.com/wQBCfWiSc0
— 令やすみ (@dandonban) 2015年5月7日
この写真は、山形県酒田市の山居倉庫の資料館に展示されている写真。
おしんは、浩太とのことがあるので、ふじに縁談を断ってほしいと頼みますが、16の娘に何がわかると言って、クビを縦に振りません。
結納
そしてひと月もたたないうちに、おしんの結納になりますが、女丁持(おんなちょうもち)をしているふじは、親代わりの加賀屋さんに任せて、結納には出ずに働きます。
仕事仲間から、おふじさんの娘は玉の輿だとウワサになっていると言われます。
しっぺ返し
お加代さまが居間で、おしん宛ての手紙を見つけますが、差出人がないので、その手紙の封を開けて読むと、なんとお加代さまが恋する浩太が、おしん宛てに書いたものです!
幼い頃、おしんに勝手に部屋に入られ、本を見られましたが、そのしっぺ返しになっている!
おしんが本を盗み見したことなど、かわいいものです。
怒ったお加代さまは、おしんに絶交すると宣言し、浩太が、おしんと砂丘で会うことを約束した日、おしんの代わりにお加代さまが会いに行きますが、そこでお加代さまは、浩太に、おしんは貧乏がイヤだから結納済ませたと告げるのです!
朝から、展開が濃すぎる上にドロドロ・・・・
おつねさんのエピソードが、走馬灯になる。
感想
母娘水入らず
思えば、加賀屋さんに奉公へ行くとき、2年の年季奉公だから、奉公へ行く前にかあちゃんに会いたいと銀山温泉へ行って、一晩過ごしたことがありますが、嫁入りが決まって、大奥様の計らいで、かあちゃんと久しぶりに二人っきりで過ごせます。
いくらしっかりしたおしんでも、ずっと母のもとを離れているので、母恋しいと甘えますが、田中裕子さんかわいいです。
甘えたついでに、やっぱりまだ嫁には行かないとかあちゃんに話しますが、かあちゃんは、お金のないつらさを骨身にわかっているので、嫁に行ってもらった方が良いのです。
とは言え、今までおしんの奉公で、なんとかやってこれましたが、おしんが嫁に行くと、かあちゃんがまた出稼ぎすることになります。
おしんは、浩太のことがあるから、嫁には行きたくないと言い出しますが、年老いたかあちゃんが、出稼ぎすることも、つらいと思います。
かあちゃんは、おしんに好きな人がいることに気づきますが、結婚の約束もしているわけじゃないし、ましてはこのころ、恋愛結婚することは、珍しいことだったらしいです。
まだ16くらいで、何がわかると言って、おしんに言い聞かせます。
キレイなおしん
女丁持ちとして働く、かあちゃんですが、さすがにドラマで、米俵5俵かつぐことはなかったですね^^;
結納の日、仕事仲間に、おふじさんの娘が玉の輿にのるとウワサされていると言いますが、それで舞い上がるようなおふじさんじゃありません。
娘のことと自分は関係ないと、淡々と仕事をしています。
いつの間にか洗練されて、あでやかなピンクの着物を着たおしんが、ため息がでるくらいキレイですが、大奥様が天塩に仕込んだ甲斐があったものです。
おしんは、かあちゃんに会って、やっぱり結婚はイヤだと言うと、かあちゃんは、「人さは添ってみろ、馬さは乗ってみろ、一緒になれば情がわいてくる。心から尽くしたら、かわいがってもらえる」
おふじさんの言っていることは、もっともなんだと思いますが、結婚の約束をしたわけでもない、16歳のおしんには強く反発できません。
お加代さま手紙見る
お加代さまは、好きな絵を描いて充実した時を過ごしていますが、浩太のことが思うようにいかず、イライラしていると思います。
そんなところに、おしん宛ての名前のない手紙を見つけ、不信に思ったお加代さまは、浩太からの手紙を読んでしまいます!
一番、二人のことを知られたくない人です。
浩太が、またいつもの砂丘でと約束をしていることを知ったお加代さまは、居ても立っても居られず荷物をつくります。
そして、おしんに怒りをぶつけて、もうおしんとは縁を切ると絶交宣言しますが、おしんには最悪の展開です。
お加代さまが砂丘に行くと、浩太はあ然としますが、お加代さまはすかさず、おしんは酒田では指折りの資産家に嫁に行くと説明します。
キャー女の情念、怖い、、、
お加代さまは、自分の欲望を満たしたいが故に、おしんを踏みつぶしてでも、浩太に寄り添っていこうとします。
浩太は、心ここにあらずで、お加代さまには目もくれず歩き出しますが、それでもお加代さまは、浩太についていこうとして哀れに思ってしまいます。
おしんの心は凍っていた
お加代さまに絶好宣言されたおしんですが、何もないかのように淡々と仕事をしていると、何も知らない若奥様が、ご機嫌よく買い物から帰ってきて、居間におしん宛ての手紙があると教えられますが、そんな手紙はありません。
すぐさま、おしんは、お加代さまに手紙を見られたことを察します。
真面目に生きてきたおしんなのに、こんなところで穴に落ちるような思いをするなんて、運がないというか、不条理としか言いようがないです。
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