2019年8月7日(水)
あらすじ
田倉商会の仕事も順調で、息子の雄(ゆう)もすこやかに育っていました。
おしん(田中裕子)には充実した毎日でした。
一方の竜三(並木史朗)は事業の拡張を夢みて、新しい作業場の建設にほん走していました。
おしんには、そのことが不安です。
ある日、加賀屋のお加代さま(東てる美)が、酒田からおしんの出産祝いに来たと言って、訪ねてきます。おしんは、加代の口から忘れていた浩太の名前を聞いて、動揺していた。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、並木史朗、今福将雄、東てる美
おしんあらすじネタバレ
糸子さん指を縫う
田倉商会の仕事も順調で、正月早々に誕生した雄も、健やかに育っていました。母親としても妻としても、おしんには充実した毎日でした。
源じいが、雄を子守りしています。
源じい「坊ちゃまの子守りを30年前にしましたが、そのころに戻ったようです。長生き出来て良かったです。孫ができたようです。」
おしん「源じいのおかげで、どんなに助かるか。」
そこへ竜三が入ってきて「おしん、土地が見つかったぞ。ここから10分くらいのところだが、事業に失敗して抵当に入っていたのを競売に出すそうだ。そうとう高い値がつくだろうが、落としてみせるさ。」
おしん「そんなお金、どこに?」
竜三「ちゃんと借りるあてはあるさ。それが入ったら、親父が融通してくれた金で、作業場を建てるんだ」
おしん「みんな人に借りたお金で、返す当てでもおありになるんですか?」
竜三「あぁ、30台のミシンで製品を作れば、儲けはそれだけ大きくなる。たちまち借金は返して、借金を方にした土地は我々のモノになる。そして、そこに住居も新しく建てられる寸法だよ。」
おしん「でも」
竜三「土地さへ入れば、こっちのものだ」
そう言って、源じいが抱いている雄に「雄、お前は私たちに運を運んできてくれたんだな。お前が大きくなるころには、大きなウチを建ててやるからな。」
縫子「旦那さま!糸子さんが、指を縫ってしまって!」
竜三「病院へ運んでくる」
おしん「じゃ、私、糸子さんの代わりを、注文が遅れたら大変だもんね。」そう言って、おしんは、ミシンを踏みます。
~中略~
竜三「わかった、わかった!もう、いいよ。おしんにはかなわない。」
お加代さまに竜三が「おしんは、この通り、言いだしたらきかないから。いつも、悩まされています。」
おしん「ごめんなさい、お加代さま。せっかく来てくださったのに、夫婦けんかして」
お加代さま「うらやましい。夫婦が、そうやって言い合えるなんて。それが、ほんとの夫婦、なんだよね。」
竜三「強い女だから、年中言い負かされています。」
お加代さま「私には、おしんが言っていることが、良く分かる。浩太さんも、いっつも同じようなことを言っていた。働くものには、働くものの人権を守る要求をする権利があるし、使うものには、それを守ってやる義務がある。でも、一人一人、バラバラになったのでは、いつまでも労働者は弱い立場だから、団結して、資本家に対抗しないとダメだ。」
おしん「お加代さま?」
お加代さま「おしんの話を聞いていたら、浩太さんの話を思い出してしまって。おしんみたいな主人を持っていたら、働くものは幸せだ。」
おしんは、ミシンを踏む。
なぜ、今頃になって、お加代さまが東京に出てきたのか。
雄の祝いは口実で、何か他の事情があるように、加代を知りつくしているおしんには、そんな気がしてならなかった。
お加代さま、食卓を拭いている。
おしん洗い物をしながら「今日は、申し訳ございませんでした。私がミシンを踏まなきゃいけなかったもんで、外に食事にも行けなくて。明日の晩は、竜三さんと、どこか美味しい所に。」
お加代さま「そんなつもりで来たんじゃないんだよ。気を使ってもらったら、かえって居づらくなる。」
おしん「お加代さまには、さんざんお世話になって、私たちもね、それくらはできるようになったんです。」
お加代さま「良かったんだね。おしんは、東京へ出てきて。」
おしん「いろいろ辛いこともあったけど、今はなんとか。自分で選んだ道だから、自分で守っていく他ないんだもん。」
お加代さま「んだ、おしんは自分の選んだ道を歩んできたんだもん。どんな苦労があっても、悔いはないんだろう。おれは、自分の気持ち殺して酒田へ帰って、好きでもない男と一緒になって」
おしん「お加代さま」
お加代さま「もう、やんだ!おれ、東京で働くつもりで出てきたんだ。二度と、酒田には帰らない。おしんの出産祝いと言う口実で、やっと出てこられたんだ。この機会を逃したら。おしん、おれの味方になってくれるよね?」
雄の泣き声に、おしんは雄のところへ行く。
おしんが、雄をあやしていると、お加代さまが来て「幸せそうだな」
おしん「お加代さまも、お子が、おできになったら、つまらないことなど、どうでも良くなります。子どもって、それほどかわいいものだもの。」
お加代さま「私は、あの男の子供など、産みたくもない。他の女に子供を産ました男の子など。あの男が、芸者に子供を産ませた時、おばあさまにも父さまにも母さまにも、あの男とは別れさせてくれって言ったんだ。だけど、それくらいは、男の甲斐性だ。お前が悪いから、旦那にも浮気されるんだ。かえって説教された。なんて言っても、帝国大学を出ている学士さまだ。今では、加賀屋もあの男がいないと成り立たない時代になってしまって。
おばあちゃんもお父さんも、あの男に一目を置いているから、出すわけにもいかない。それなら、おれが出るより、他ないんじゃないか?
おしん、浩太さんの消息分かったんだよ。
近頃では、農民組合というのが全国にできて、小作が団結して、あくどい地主のやり方に、対向しているんだけど、近頃それも、だんだん認められるようになって、浩太さんも方々の組合大会に出るようになったんだって。この間も、組合の人に聞いたら、今、東京のご両親の家に帰ってるって。」
おしん「お加代さま、まさか?」
お加代さま「おれ、会いに来たんだ。おれには、浩太さんしかいない。おれ、何もかも捨てる。今度こそ、浩太さんとやり直すんだ。」
おしん「お加代さま!?」
お加代さま「おしんみたいに、幸せな結婚をしているモノには、わからないよ。わかってもらおうとも思わない。」そう言って、部屋を出る。
参照元:
![]()
前置きレビュー
竜三の本性
縫子の糸子さんが、作業中にケガをしてしまったことに、竜三は「とんでもない時にケガしやがって。不注意にも、ほどがある!」
こんなことを言うようになるなんて、調子に乗って天狗にでもなってきたのでしょうか。
感想
おしんの貫禄
子守り奉公をしていたおしんが、ようやく母になり、今では、自分が子守りを使う立場になったなんて感慨深いです。
母として妻としての余裕もあらわれ、すてきな奥さまになってきました。
とは言え、土地が見つかったと喜んでいる竜さまに、みんな人のお金を借りてやって、返せるあてはあるのかと、竜さまの仕事には冷静でいます。
こういうところは、ちゃんとしているというかブレていません。
お加代さま上京
お加代さまが上京して、田倉家にやってきますが、おしんは、お加代さまの姿を目にすると表情がこわばります。
この時点で、お加代さまが、どうして上京してきたのか、察せられたのだと思います。
縫子さんが、ケガをしたと聞いた竜さまは、仕事は人並みにはあがらないし、辞めてもらえる、いい口実が出来きたとあっさりと言って、おしんは驚きます。
もう少し、やさしい人だと思っていたのに、意外と残酷なのか、それとも調子に乗ってきたのかな。
おしんは、はる姉ちゃんが製糸工場で、肺病になって働けなくなったら、たちまちクビになり、一銭の保証もないから、医者にかかるのも遠慮して死んじまったと話します。
なんの保証もない時代の、労働者のつらさがわかります。
そんな話をしていると、お加代さまが、浩太の労働者は弱い立場だから、団結して、資本家に対抗しないとダメなんて話を持ち出します。
お加代さまの言いたいことはわかるけれど、浩太のことは、もういいだろうと言わんばかりのおしん。
残念ですが、まじめなおしんと違って、結婚したからと言って、おとなしくおさまるお加代さまじゃないんです。
それだから、旦那によそに子供つくられるんだろうと思うけれど、お加代さまは、浩太のことが離れられないから見えてません。
とことん痛い思いをしないとお加代さま、ダメみたいです。
コメント