2019年8月23日(金)
あらすじ
作男の耕造の妻の佐和(香野百合子)が掘り割りへ身投げをした。佐和とは働く畑が違い、おしん(田中裕子)は、ゆっくり佐和に会う機会がありませんでしたが、いつも仲よく夫婦で畑に出ている佐和を見ていただけに、おしんにはショックでした。
田倉家の暮らしの中で、同じように追いつめられていたおしんは、佐和の自殺未遂がひと事とは思えず、胸をしめつけられます。
おしんは、佐和と一緒に東京へ行く計画を進めることにしました。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、並木史朗、伊藤毅、長谷直美、観世葉子、高森和子、有明祥子、北村和夫、北村総一朗、木内聡、藤田亜里早、金子成美、香野百合子
おしんあらすじネタバレ
佐和の家
佐和が、ろうそくに火を灯して、おしんを招く。
おしん「キレイなお月さまでね、助かったわ。昼間は、畑があるから来れないし。どうしても、会いたくて。」
佐和「とんだご心配をおかけしてしまって。」
おしん「佐和さんらしくないわ。あたしが田倉へ来て、佐和さんに慰められて、どんなに心の支えになったか。佐和さんだって辛抱しているんだ。自分だって、何度もできるって自分に言い聞かせたのよ。」
佐和「自分では、何もかもわかっているつもりで、どんな苦労も承知でしてきました。
奥さまと私とでは、苦労が違います。私一人が辛抱してすむ苦労なら、どんなつらいことでも辛坊できます。骨が、バラバラになるほど働けと言われても、黙ってやります。
しかし、私の過去は、過去です。」
おしん「もう、どうでもいいことじゃないの?今の佐和さんは、良く働くいい奥さんでしょう?」
佐和「いいえ、いつまで経っても女郎は、女郎です。それは、死んでも消えないことです。」
おしん「それは、覚悟でお嫁に来たんじゃなかったの?」
~中略~
田倉家
おしんが、田倉家に戻ってくるが、戸を締め出されて中に入れない。おしん「野宿でもするか?」
そこへ、竜三が提灯を持って出てくる。
竜三「おしん!」
大五郎「なんだ、いるじゃないか」
竜三「どこへ行っていたんだ?」
大五郎「竜三が、おしんがいないと言って」
竜三「雄の顔を見に行ったら、部屋に誰もいない。こんな夜中に、どこへ?」
おしん「月がキレイだから、なんとなく歩きたくなって。」
竜三「バカもん!この寒いのに雄に風邪でも引かせたら、どうするんだ?」
大五郎「もういいよ、何にもなかったんだ。さっ入って入って」
中に入ると、お清が出てきて「まぁ~出かけるなら、出かけると、一言断っていきなさい。」
大五郎「そんなこと、いちいち断ることはないだろう。」
お清「冗談じゃない!いい迷惑だ!夜、夜中、のーんきに出歩く嫁がどこにいる?いいご身分だわね。それなのに、家出だなんだと顔色を変えて、鼻の下を伸ばすのもいい加減にしないさい。そんな甘い事だから、女房になめられて、文句やグチを言われるんだよ!
少しは、どうにかしたらどうなの?」
そう言って、奥へ入る。
おしんは竜三に「迷惑をかけて、そんなに心配してくれるとは思わなかったから。」
竜三「お前が、つまらないことをしたら、嫌みを言われるのは、俺なんだからな。少しは、考えてくれないと。」
竜三は、「お師匠さんからだ」と言って、おしんに手紙を渡す。
お師匠さん「まだ仮住まいですが、商売もできるし、暮らすのに不自由はありません。いつ、昔のような東京になるかわかりませんが、家もどんどん建ち始めています。
佐賀の生活も慣れたことでしょうが、もう一度東京で出直すなら、遠慮なくいらっしゃい。
境内
おしんが、雄坊を背負っていると、佐和さんがやってくる。
おしん「東京から手紙が来たの!店もできて、商売を始めたって!もう行っても大丈夫!
髪結いさえできたら、飢え死にすることはないから!お彼岸の中日に発つことにしたわ。お彼岸だったら、畑も休むだろうし、お客さまもお見えになるだろうから、私が出て行くのも目立たないと思うのね。汽車の時間もちゃんと調べてある!切符は、別々に買って、そして汽車の中で、落ち合いましょう。」そういって、おしんは佐和に、汽車賃を手渡します。
おしん「東京までだと怪しまれるから、2駅か3駅先まで買うのよ?わかった?」
佐和「奥さまが、そこまで思いつめておられるなんて」
おしん「私は、田倉にいても、死んでるのも同じだから。」
佐和「でも、旦那さまと別れて?」
おしん「仕方がないのよ。あの人は、ここにいる方がいいんだもん。お義母さんだって、あの人のことがかわいいんだ。私さえいなかったら、みんなせいせいするの!ねっちゃんと出発の日までに支度して、私なんて、何にも持っていくものないんだけど。うまくやるのよ。」
佐和「でも・・・」
おしん「私、あんまり遅いとヘンに思われるから。じゃあねっ!」
おしんは急に、しゃがみ込みます。
佐和「奥さま、気分が悪いのですか?」
おしん「ここ2~3日、夜が遅かったから。東京へ行くんで、気が立っているんだ、きっと。もう平気だから」
その時、おしんは自分の中で、新しい命が、育ち始めているのを知っていた。
が、東京へ逃げることを諦めるつもりはなかった。
新しい命を産むためにも、ここにはいられないと思っていた。
参照元:
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前置きレビュー
佐和チャレンジ
過去に女郎をしていたことで、ケンカの絶えない耕造一家に悲観した佐和さんは、自殺を図りますが、幸い命を取り留めました。
佐和さんは、おしんに、自殺を図った経緯をとうとうと話しますが、朝から重いので、「佐和チャレンジ」です。
そして、おしんは、佐賀を脱出するために、佐和も東京へ上京することを誘います。
おしんは、佐賀から脱出する気、満々です。
おしん「佐和さんがいてくれたら、どんなに心強いか」
感想
厳しい
おそらく佐和さんは、家が貧しくて、お金のために親が女郎として売ってしまったのだと思いますが、それだけでも十分厳しい人生です。
親にとって一時のあぶく銭ですが、どんなに真面目に働こうが、女郎だった過去は、一生ついてまわってしまいます。
それを思うと、まだおしんの方が、恵まれていたと思います。
たまたま縁があって、おしんと佐和さんは出会うことになりますが、女郎で売られるか、奉公に出されるかで、人生違ったものになった。
自分だけなら、どんなことを言われても平気だと佐和さんは、言いますが、それだって、つらいことには違いないと思います。
それを背負って、抜けることのない人生を歩まなくてはいけないなんて、これでは、長生きなどできない。
時代のせいだとは言え、苦しみながら一生を終える人がいたのだと思います。
それにしても、佐和さんのキレイな顔に、なんとも言えない佐賀弁が心地よく聞こえるのですが、おしんに背負われている雄ちゃんが、真剣に佐和さんの顔を見ていて、かわいい。
元気づけ?
おしんは急に思い立って、佐和さんに一緒に東京へ行くことを誘います。
確かに、佐和さんが、こんなところにいても、先はありません。
おしんにとっては、東京へ行くことが何よりと考えていますが、佐和さんには、そんな大それたことをとでも言った表情に、温度差を感じます。
おしんには、明るい兆しを見たと思ったことでしょうが、家に帰ると、締め出しを食らいます。
間が悪いというか、しかもお清は、竜三に、鼻の下伸ばしているからなめられているとか、とばっちりに合う竜三も、やってられないでしょうねえ。
おしんは、佐賀から出ることしか頭にありません。
お師匠さんからの手紙に、確実な足掛かりができたおしんは、佐和さんに東京へ行く約束を取りますが、佐和さんの表情が頑なです。
とても同意している表情だと思えないのに、おしん、そんな一方的に話しを進めて大丈夫?
しかも、このタイミングで、つわり!
性根のすわったおしんは、それでも東京に出ることを考えています。
想像つきませんが、この時代、シングルマザーで生きていくなんて、そうとう覚悟がないと厳しかったと思います。
おしんだったら、やり遂げるだろうけれど、そういう性根の強さに竜三は惹かれたのかもしれないが、結婚相手としては大変だと思う。
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