2019年10月10日(木)
あらすじ
おしんが佐賀の田倉家を出てから、1年と2か月が過ぎていました。
その間、佐賀に残った竜三(並木史朗)からは一通の便りもなく、おしん(田中裕子)は夫婦の縁も切れたと思い、雄(ゆう)と母子二人で生きる覚悟をしていました。
佐賀では、竜三が、恒子さん(観世葉子)から渡されたこれまでのおしんの手紙を読んで、おしんの本当の気持ちを理解し、仕事が成功したら、独立しておしんを佐賀へ呼び寄せようと心に決めます。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、山野礼央、並木史朗、高森和子、北村和夫、東てる美、観世葉子、渡瀬恒彦
おしんあらすじネタバレ
めし屋
お加代「竜三さんが、おしんの居所わからないなんて、おかしいな。山形の実家に聞いてくるなんて」おりきさん「おふじさんも、佐賀へ何にも知らせてないんではないかって心配していたよ」
おしん、みんなにお酌をして「おめでとう!」おりきさん「おしんちゃんところで、こんなごちそうになるんて、夢みたいだな。おふじさんも、どんなに来たいことか。息子夫婦の代になったら、庄治の嫁が、財布のヒモをしっかり握っているから、おふじさん、稼いでいたって、小遣いもないんだもんな」
おしん「よくわかっている。加賀屋さんへ返すお金がなくなったら、旅費を送って、酒田へ来てもらう。それまで辛抱して欲しいって、かあちゃんに」
おりきさん「わかった。楽しみにしている。おふじさんの代わりに、こんないい思いさせてもらって」
おしん「おりきさんには、どんなにやったってご恩返しできない!加賀屋さんへ奉公できたのも、おりきさんのおかげだし。かあちゃんの手紙を、おりきさんが代筆してくれなかったら、何もできないんだもの」
浩太「田倉くんからの手紙は、直接、アナタがご覧になったのですか?」
おりきさん「おふじさんは、読めないので、いつもおれが。返事も、おれがおふじさんの代わりに書いているんです。もう1月にも前になるけれど」
浩太「じゃあ、田倉くんおしんさんと雄くん、見捨てたワケじゃないんだよ」
お加代「おかしいな?佐賀に何度も手紙、出したんだろ?それなのに、おしんは何も知らないなんて」
おしん「せっかくおめでたい日なんだし、それに、明日、浩太さん、旅に出られます。つまらない話は、やめて、めしあがって」
浩太「しかし、こちらから出した手紙が、何かの手違いで、田倉くんに渡っていないんじゃないかな?」
佐賀
お清、竜三に「いつまで、飲んでいるの?」大五郎「今日は、鏡開きだから」
お清「京子さんのご両親から、お招きをいただいているんだから。いい加減、支度しないと、昼には間に合わないよ」
竜三「俺は、やっぱりあの娘が気に入らない」
お清「今頃になって、何を言っているんだ?去年の秋の祝言は、なんとか口実つけて伸ばしてもらった。今年の春と言って約束したのは、もう変えられないから。お前だって京子さんを嫁にもらうと、ちゃんと言っただろうが?」
竜三「つき合うたびに、気が進まないよ。イヤなものは、しょうがない」
お清「よく、そんな勝手なことを!気が変わるんだから!去年の秋、祝言あげさせてと言ってくださいと言ったのに」
大五郎「おしんのことは、もうあきらめて、おしんのことを忘れて出直したらどうだ」
竜三「俺は一人でたくさんだ」
お清「まだ、おしんに未練があるのか?おしんが、どうしているのかも知らないで。おしんはね、他の男と一緒になるつもりだよ」
竜三、鼻で笑う。
お清「わたしの言うこと、信じないのか?根も葉もないことを言っているのではない。おしんと一緒になりたいと言う男から来た手紙だ。お前に、見せなくてすむなら、見せたくはなかったよ」
浩太の手紙を見て「これは、俺宛てに来た手紙じゃないか?」
~中略~
大五郎「お清!お前、竜三に、どんなことをしたか、わかっているのか!」
お清「だから、あの手紙を見せたんじゃないですか!荒行事でもしないと、いつまでもおしんのことを忘れないじゃないですか!
あなただって、おしんのことは忘れろって、言ったじゃないですか?
わたしだって、竜三がかわいいから、早くやり直そうと言う気持ちになって欲しい。それが、親心というものじゃないですか」
そう言って、部屋を出ようとすると、大五郎「そうっとしておいてやれ!それも、親心だ」
恒子、野菜を切っている。
すると、恒子、竜三のところへ行き、おしんから来た手紙を渡す。
恒子「お義母さんが、やぶって捨てた手紙を、私が裏貼りをした。
おしんさんの想いのこもったものを、むざむざと捨てることはできない。
竜三さんに見せるつもりは、なかった。ただ、おしんさんが不憫でたまらなかった。
竜三さん、おしんさんは、竜三さんのことを忘れたワケではない。そうやって何通も手紙をよこしている。竜三さんから返事が来なくて、どれほど心細かったことでしょう。竜三さんをあきらめて、他の男と思っても無理もない。
雄坊も抱えているからね。おしんさんは、むやみに考えのないことなどしない。
おしんさんを信じてやってほしい。それだけが、言いたかった。それでなかったら、おしんさんは浮かばれない。
竜三さんだって、根も葉もないことで苦しまなければいけないだろうが、それを見るのはつらい」
竜三「知らなかった。まさか、おふくろが、こんなことを」
恒子「お母さんを恨んじゃいけないよ。お母さんだって、竜三さんのことを思って、私には、お義母さんの気持ちも良くわかる。
おしんさんは、田倉の嫁という立場を忘れて家を出た。お義母さんには、それが許せないのよ。
まして、おしんさんが出て行く前には、お義母さんは、ずいぶんおしんさんに折れていたのに、それを踏みにじるようなことをして、雄坊までを連れていってしまったからね。
しかし、私は、おしんさんと同じ嫁として、おしんさんのつらかったことも、良く分かる。切ない話です。
竜三さん、おしんさんに手紙を出してあげてください。
おしんさんは、どれほど竜三さんからの返事を待ったことか。今なら、まだ遅くはないよ。私は、お義母さんを裏切るようなことをしてしまった。しかし、そうやって手紙をとっておいたのは、おしんさんが不憫なだけでなく、おしんさんと同じ嫁として、つらい思いを辛抱してきた女子の恨みかもしれない。
そんなことだから、礼は言わなくていいよ」
大五郎と、お清、お茶を飲んでいる。
竜三がやってきて「はっきり言っておく。再婚する気はないから、先方には、ちゃんと断っといてくれ!今後一切、こういう話は聞かないからね。誰が、なんといっても、おしんは、俺の女房だ。雄は、俺の息子だ!それだけは、心得て欲しい」
お清「お前、あんな女を待つというのか?」
竜三「干拓が成功して、俺たちの土地になったら、佐賀へ呼び戻すよ。それまでは、ここに残って苦労するより、酒田で働いた方がいい。たとえ別れて暮らしても、お互いを信じているから、何も心配はいらない」
竜三からの手紙
お加代が、接客をしていると、郵便屋さんがおしん宛てに書留を届けに来る。
竜三からの手紙をおしんは見る。20円の為替が入っている。懐かしい竜三の字であった。1年以上も経ってやっと手にした手紙は、何枚もの便箋につづられていて、おしんの指にずっしりと重かった。それがおしんの胸を熱くしていた。
参照元:
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感想
へんな正月
浩太は、何も不自然とは思っていないようだけれど、いくらお加代さまが、過去のことを吹っ切ったと言っても、元カノのお加代さまと、おしんと一緒に正月を過ごしているなんて、信じられない。
竜三の手紙のことよりも、この不思議な取り合わせが気になってしまった。
感じ悪いお清
現実の生活に余裕がないのか、無精ひげを生やした竜三が、正月の酒を飲む姿が痛々しいです。
お清にしてみたら、いつまでもくすぶった竜三の姿に、生きる気力を取り戻して欲しいと、結婚の話をすすめようとしているのだと思います。
それはわかるとしても、おしんと一緒になりたいという男から手紙が来たと、竜三に打ち明けるなんて、竜三に断りもなく、当然とばかりに勝手に手紙を見ていて感じ悪いです。
恒子さま
恒子さんは、田倉家の様子を黙ってうかがっていますが、この時とばかりに、竜三に、袂から束になったおしんの手紙を取り出して渡します。
あぁ恒子さま!
いたずらに、竜三に告げ口など不躾なことなど、むろんしません。
嫁の立場を忘れて、出て行ってしまったことは、お清には許せず、ましてやおしんが出て行く前には、お清は、おしんに心を寄せていたのに踏みにじって、雄坊と出て行ってしまっているので、恒子さんは、お清に同情しつつつも、同じ嫁の立場として、おしんのつらい思いもわかると、悶々としていたのだと思います。
恒子さんは、自分の気持ちを淡々と竜三に打ち明けますが、その身をわきまえつつも、竜三の背中を押してくれる様が、胸を打ちます。
竜三も、恒子さんの思いやりを黙って粛々と受けとめ、恒子さんの、育ちの良さと賢さがひしひしと伝わってきました。
やっと
お加代さまが、小気味よく働いていて清々しいですが、そんなところへ、やっと竜三から手紙が届きました!
長かった。
思わず、涙してしまった。
竜三の手紙を無我夢中で、見ているおしんの切ない表情が、おしんを待ちわびているのは、浩太ではないのだとわかって良かった。
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