2019年11月7日(木)
あらすじ
昭和6年の春、祖父母と母親のお加代さまを失った希望(のぞみ)を引き取ったおしん(田中裕子)は、8才の長男の雄(ゆう)と1才半の次男の仁、そして仁と同じ年の希望と、3人の男の子の母親になった。
相変わらずの不景気の中で、おしんと竜三(並木史朗)は、3人の子どものために、以前にもまして商売に精を出します。
昭和6年の9月、満洲事変が勃発した。そのとき、おしんは、31歳になっていた。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、赤木春恵、並木史朗、槇浩、渡瀬恒彦、野村万之丞、乙羽信子、大橋吾郎
おしんあらすじネタバレ
伊勢
竜三が見ている新聞に雄が
~中略~
雄「だって戦争なんだ、死んだって負けられないよ」
おしん「何回も言っているでしょう?戦争ごっこなんてやめなさいって!」
雄「満州と戦争しているじゃないか!」
竜三「そんな傷にかまうことないよ!ツバでもつけておけば治るよ!母親が甘いから、雄がそんなだらしがないんだよ」
おしん「だって!」
~中略~
夜
おしん、佃煮を煮ている。竜三「子供たち3人とも、良く寝ているよ。
少し代わるか?」
おしん「アナタ帳面づけあるんだもん、早く済ませて。明日、また買い出し大変ですよ、朝」
竜三「お前も、いい加減にしないと」
おしん「私は、いつもウチにいるもの。いつだって寝れるもの。仁と希望に手がかかる間、誰か子守りをやとった方がいいのかもしれないわね。アンタも、仁をおぶって店に出るの大変でしょう?」
竜三「俺は、いいよ。しかし、お前がキツイでしょ?やっぱり、一人子守り置くか?」
おしん「私は平気よ。小さい頃から、子守り奉公しているから慣れているもん。
だけど、男のアンタには」
竜三「そんなこと言っていられない。子守りを一人雇えば、それだけ物入りだ。せっかく子供たちのために、教育費を今から貯金してやろうと決めたのに、そんなことをしたら」
おしん「そうね、どんなことがあったって男の子3人、大学へは入れてやりたいし。それにね、ほんとのこと言うと、子守りの人雇うのイヤなんだ。
自分が小さい時、子守り奉公してイヤな思いしたから。なんだか、かわいそうで」
竜三「二人で辛抱すればいいよ」
おしん「ねっ!でも、冷蔵庫と自転車、中古でもいいから買わない?
冷蔵庫があったら、魚が傷むの心配しなくていいし、自転車あったら、遠くまで注文取りに行くんだって配達するのだって楽だから!」
竜三「そうだね。子守り雇うより、冷蔵庫と自転車の方がありがたい」
冷蔵庫が入って来た。
そこへ雄が帰ってきて「それ何?」
おしんは、冷蔵庫の説明をする。
竜三「雄が学校へ行っている間に、スゴイモノが届いているんだ!」
自転車を見せると、雄が「乗れ父ちゃん?」
竜三「これから練習するんだ。早くお得意さん周りできるようにならないとな!」
雄「乗ってみせてよ!」
竜三「じゃ、お前、後ろ押さえてくれよ!」
と言って、自転車に乗る竜三。
そこへひさが、やって来た。
おしん、ひさにお茶出す。
おしん「おかみさんのおかげで、安くて美味しい魚が売れるんです。ありがたいと思っております」
自転車乗りの練習をしている竜三を眺めて、ひさは「おしんちゃんは、幸せだな。働きモノの旦那さんと、3人の男の子に囲まれて。
そりゃ、今までいろいろあっただろうけれど、夫婦力合わせて、これが本当の家族と言うものだな」
おしん「なんとかやっと」
ひさ「それに引き換え浩太さんは、どこで間違ったか知らないけれど、性懲りもなく、危ないことばかりして」
おしん「浩太さんから、何か連絡ありました?」
ひさ「夕べ来たんだよ。どこで何をしていたか、わからないけれどな。えらい疲れた顔して、寝てばっかりだ。
きっとな、特高につけまわされて、もうゆっくり休むところないんじゃないかな?」
おしん「じゃあ、しばらくはおかみさんの家に?」
ひさ「ちょっと休ませてくれって言っただけでな、後は何にも言わないから、ただな、加代さんと言う人の話しをしたら、墓はどこか?って。けど、私だって、アンタからハッキリ聞いてないしな」
おしん「ウチに来てくださったら、私がお連れいたします」
ひさ「そんなところで、ウロウロして、特高にでも捕まってしまったら。
なぁ、おしんちゃん、私な、アンタに折り入って頼みに来たんだ。
浩太さんはな、私の言うことなど聞く人じゃない。
けど、何とかして危ないことをやめてほしいの。満州で、あんな戦争が起きてから、浩太さんみたいな運動をしている人は、前よりも、もっと取り締まりがキツくなっているそうなんだ。
特高に捕まったら最後、拷問されて死ぬ目に合うと聞いている。
そんなことになったら、いくら浩太さんのことをあきらめていると言ったって、親がどんなに悲しむか。
私な、1日も早く、浩太さんに足を洗って欲しいんだ。
ちょうどな、家に来たいい機会だ、おしんちゃんから話をしてくれないだろうか?」
おしん「私に、そんなこと」
ひさ「おしんちゃんより、他に頼む人がいないの。竜三さんに聞かれて困るんだったら、私がうまいことごまかしておく。
店も手伝う。
仁ちゃんや希望ちゃんの面倒だってみてあげるよ。
なっ浩太さんの大事な時だ。
おしんちゃん、この通りだ」
おしん「おかみさん」
ひさ「アンタから、話しをしてくれたら浩太さん、聞いてくれるかもしれない。頼む」
おしんには、浩太の気持ちを変えさせる自信などなかった。
が、おしんにももっと浩太には平穏無事な生き方をして欲しかった。
その願いが、おしんを浩太と会う決意をさせた。
参照元:
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感想
幸せな一方で
雄の成長とともに、日本は少しずつ戦争へと向かっていくところが、なんとも不気味に思ってしまいます。
まだ戦争は他人事のようなおしんと竜三ですが、竜三は、雄に日本軍は強いと話して聞かせますが、当時は、これは変わったことではなかったと思います。
雄は、男のたちと勢いよく遊びますが、日清戦争のころに戦争ごっこが流行り、大正のころは、「チャンバラ映画」が出てきて、「チャンバラごっこ」が流行るようになったそうです。
と言っても、戦争ごっこもチャンバラごっこも、違いが良く分かりません。
おしんと竜三は、威勢よく魚を売って、すっかり商売が板につきました。
魚の活きの良さが伝わってきます。
希望は、そんな二人に安心してか、竜三の背中で、ぐっすり眠って、いい子に育ちそうです。
日々、頑張っていると、より合理的にと考えるものなのか、おしんは、冷蔵庫と自転車を買うことを提案しますが、子守りを雇うより、進歩的な感じです。
こういうところは、目先が利くのかもしれません。
ひさの悩み
身内の苦労と言えば、借金、暴力、賭け事などあると思いますが、ひさの悩みは、浩太の運動活動です。
あまりない悩みかもしれませんが、警察に追われるような運動をする身内が家に転がり込まれて、ひさには困った心配事です。
おしんにとって、ひさは見知らぬ土地で商売が出来るようになったきっかけをつくってくれた恩人ですが、ひさにとっても、度胸の良いおしんは頼れる人です。
だからと言って、おしんが浩太の気持ちを変えられるとは思えないけれど、浩太にとって、人生の転換期なのかもしれません。
まだ今なら若いですし、先の見えない運動から抜けて欲しいと思うのは、身内なら余計に心配だと思います。
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