2019年12月13日(金)
あらすじ
おしん(田中裕子)は、次男の仁の成長ぶりが頼もしいよりも、どこかおそろしかった。
おしんと竜三の反対を押しきり、少年飛行兵を志願した一途さを思い出したのです。
学校が再開すると、仁を勉学に打ちこませようと、おしんは心に決めていました。
やがて娘の禎(てい)も帰ってきました。
食事は貧しくても、子どもたちと囲める食卓を、おしんはしみじみ幸せだと思います。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、長島裕子、萩原等司、山下陽子、内田慎一、水城蘭子
おしんあらすじネタバレ
田倉家
仁と希望が、帰ってくる。
仁がたとう紙を広げる「いつも出入りしている、地主の奥さんに、花嫁衣裳を探してきてくれって頼まれたんだ。11月に娘さんが、お嫁に行くんだって。どうしても着せてやりたいからって」
初子「みごとなモノね。こんなモノを持っている人が、今でもいるのね」
仁「焼け残った家には、まだまだ色んなモノがあるんだ。でも、年寄りや女子供ばかりで、買い出しにも行けなくてね」
希望「仁には、感心させられるよ。
見ず知らずの家に、ノコノコ入り込んで、誰とでも仲良くなっちゃってさ。才能だね」仁「希望みたいに、ぶすっとしていたら、できる商売もできないぞ」
~中略~
やがて、かつぎ屋は、おしんと初子の仕事になり、10月に入って、仁と希望は、中学4年に、禎は小学校4年に復学した。
おしんは、かつて行商で周ったことのある農家にも顔を出し、米、メリケン粉、卵、野菜などを仕入れては、町へ運んでさばく。
町でも、魚屋時代のお得意が、ひいきにしてくれておしんの商売にも小さな光が見え始めた。
おしんが、かつぎ屋で商売をしている。
女「戦争さえなかったら、ウチも売り食いで箪笥の中は、からっぽだ。いつまで続くか。
でも、アンタが来てくれるおかげで助かるわ。おじいちゃんが病気で寝込んでいるでしょう。せめて白いご飯くらい、食べさせてやりたいんだけど。
4人抱えていたら、買い出しにも行かれないからね」おしん「だんだん高くなるばかりで、申し訳ありませんね」
女「仕方がないわ。みんな配給ばかりだけじゃ大変だし。モノがないんだもの。
けど、アンタも因果だな。せっかく軍の仕事をしてうまくいっていたと思ったのに、また、こんなことをしないといけないなんて」
おしん「でもね、昔のお客さんにずいぶん助けてもらっているんです」
女「戦争が終わって、軍人にエライそうな顔をされないだけいいわ!
それにアメリカ軍が進駐してきたらどうなるか心配していたけれど、たいした騒ぎもおこらなくて、占領軍を怖がっていたのが夢みたいだ。」
おしん「戦争が、終わったときはどうなるかと思ったけれど、働いていれば食べて行けそうですし」
女「アンタとこも、家が焼け残っただけ、不幸中の幸いだ。防空壕や掘っ立て小屋で暮らしている人だって、たくさんいる」
おしん「そうなんです。それはありがたいことだと思って」
女「外地からも、ドンドン引き上げているらしいけれど、丸裸で帰ってくるんだもんね。
ほんとに、戦争に負けるのは情けないもんだ」
おしんと初子が、帰ってくると、禎が出てきて「お兄ちゃんが、知らない人とケンカしている!この家から出て行けって!」
仁が、男に「ここが、あなたの家だって証拠は、どこにあるんですか?」
男「君たちこそ!君たちの家だって証拠がどこにある!」
そこへおしんが入ってきて男が「アンタが、この家をのっとた張本人か!ここは、私の家なんだ!軍の仕事で行ったから、空き家になるんで、軍に借りてもらったら、帰ったらすぐに明け渡すという約束だった。即刻、明け渡してもらいたいね!」
おしん「アナタが、釜山に赴任なさったっていう」
男「事情がわかっているようだな。だったら、サッサと出て行くんだね!」
おしん「こちらは、持ち主が、あちらに永住さなるっていうんで、主人が生前、軍を通じて譲り受けたもんなんです。
お金も、ちゃんと支払いました。
この家は、私共で買ったんです!」男「そんなバカな!」
女「あなた~!」
部屋に入ってきて「ありました!私のトランクに」と言って紙を机の上にひろげ「これはね、ここの家を軍隊に貸した時の契約書よ。
大畑文造っていうのが、主人の名前!わかった?子供のクセに生意気な!証拠はあるか?だって!
盗人猛々しいとは、このことだ!
人が釜山に行ってわからないことをいいことに、どさくさにまぎれて乗っ取ろうなんて、そうはいかないんだから!
アナタ、ご覧になりまして?アナタが、大事にしていらした庭、めちゃめちゃにして、樹も根っこを引っこ抜いて、防空壕は掘る畑は作るで、目も当てられませんよ。元の通りにして、返してもらわなきゃ!」
おしん「お言葉ですけれど、この家は、私共のモノになったから、食糧がない時、畑にしたんです。
自分の家だと思うから、空襲の時、火の粉を浴びながらでも、一生懸命消化して、焼けずにすんだんです。人の家だと思ったら、誰がそんなことするんです!」
女「自分の家、自分の家って、じゃあ、アナタ、譲渡契約書でも持っているの?
持っているなら、見せてもらおうじゃないの?」
おしん「実は、終戦まもなく主人が亡くなりまして、こういう契約書のことはわかりません。でも、主人はウソをつくような人じゃありません!
私たちに家を残せたって安心して死んだんです。
私は、主人を信じております」
女「いやしくも、これだけの家を売ったり買ったりするのに、いい加減なことですむと思っているの?ものを言うのは書類なんですからね!それを見せないさ行って言ってんの!」
おしん、引き出しから紙を取り出し「軍に支払ったこの家の代金の受け取りです。何回か払ったんっですけど、最後にまとめて軍の方から受領書をいただきました」
男「あきれたもんだ。連隊長のハンコ押してあるが、こんなモノなんの効力もありゃしない」
おしん「釜山に永住なさるからって、連帯の方にこの家の処分の委任されたんじゃないんですか?」
男「私は、軍の仕事で行ったから、内地のことはいろいろ軍に頼んだけれど、この家のことだって。誰か、軍関係の人に貸してほしいって。しかし、売ってくれなどとは」
おしん「あちらに永住なさるおつもりだったなら、この家はいらないハズじゃありませんか?」
~中略~
女「軍の人たちにネコババを決め込まれたのじゃないの?軍人って言ったってロクでもないのばっかりそろっているから、日本がこんなになっちまったのよ。
おかげで、私達だって、何もかもあっちに置いてきて、命からがら逃げてきたんだから。
この家だけが頼りなのよ!」
娘「お母さん~」と言って、部屋に入って来て「お腹すいた」
子供たちが次々と「まだ、ごたごたしてるの?」「お風呂わかして」と言ってきます。
女が男に「とにかくお米と炭、届けさせなきゃね。ちょっと頼んでくださいな!」
男「何言ってんだ!昔の店は、みんな焼けちゃってないじゃないか!」
女「じゃあ、どっか探して。いくら内地にモノがないと言っても、お金さえ払えば、手に入るでしょう?」
禎がおしんに「お母さん」
おしん「ごめんね、すぐしたくするからね」
女「アンタ!まだ、ここに居座るつもりなの?」
おしん「この家は、私の家です。誰にも遠慮しません。食糧は、おありなんですか?配給、もらっておいでにならないんでしょう?お金があったっておいそれと買えないんですよ。
今日は、ウチの方で、お宅の分もこしらえます。雑炊くらいしかありませんけど、みんなそれで我慢してるんですから」
女「結構よ!そんなことでごまかされて、たまるもんですか!」
男「まぁ今夜のとこは、仕方がないだろう。すぐに出て行けって言って、この人たちだって行くところがないだろうし。出来るだけ早く引っ越し先を見つけてもらって」
参照元:
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前置きレビュー
かつぎ屋(担ぎ屋)
第二次大戦後、食料などの闇物資を地方から都市へひそかに運んで売った人のこと。
水城蘭子
釜山から戻って来たという女性、なかなかキャラが立つと思ったら、「ガンバの冒険」のボーボーと言ったアニメの声優さんやら、イングリッド・バーグマン、デボラ・カーの吹き替えをやっていらした方です。
#吹き替え #吹替の力
カサブランカ 久米明&水城蘭子版が 吹き替えの力で収録されるとしても
現在マスターや一般録画で確認が取れてるのが70分音源しかない。初回放送が二時間枠の90分だったのか そこが気になるところ pic.twitter.com/mUx0ui4ixu
— セバスチャン+゚.* (@sebastian3590) October 28, 2016
1997年5月26日に、心不全でお亡くなりになっています。
68歳没
感想
花嫁衣裳
仁は地主の奥さんに頼まれた花嫁衣裳を初子に見せますが、物のない時代に、奇跡的に残った花嫁衣裳を手にする初子が、なんだか哀れに思えます。
仁の元気の良さには、悪気が微塵もないけれど、その気持ちが、裏目になってしまっているように見えます。
いつの間にか仁と希望は、みんなが食べていくために率先して動いてくれ、頼もしい限りと思いたいのですが、この時代に、ちゃんと大学へ行って欲しいと考えるなんて、おしんのような親ばかりじゃなかったと思うので、しっかりしているなと思います。
前の家主
戦後の混乱で食べるのに苦労したという話はよく聞きますが、おしんのところは、それだけじゃありませんでした。
前の家主から家を譲り受けたと思っていたのに、軍人がネコババしたと言われるなんて、竜三、アホすぎる?
駅前の一等地を乗っ取られたという話は良くあったらしいですが、おしんのように乗っ取り呼ばわりされるなんて心外です。
しかも前の家主の奥さん、キーキー声を立てて、できたら関わりたくないような、めんどくさそうな人です。
食べて行くだけでも大変なのに、こんなやっかいごとが出てくるなんて、戦争を憎みたくもなります。
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