2019年12月14日(土)
あらすじ
おしん(田中裕子)が自分のものになったと信じていた家に、突然、前の持ち主が引き揚げてきて「この家を売った覚えはない」と居直り、おしんに立ち退きを迫ります。
もちろん、おしんにはこの家を出てゆく気持ちなどなく、結局、ひとつ屋根の下で、2組の家族の不愉快な同居生活が始まります。
おしんたちは、一番奥の部屋に押しこめられ、台所も自由には使えない暮らしになってしまいました。
おしんは借金を申し込むために山形へ向かいます。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、長島裕子、萩原等司、山下陽子、内田慎一、水城蘭子、吉岡祐一、渡辺えり子
おしんあらすじネタバレ
田倉家
おしんが自分のモノになったと信じていた家に、突然前の持ち主が引き上げてき、誰にも売った覚えはないと居直ると、おしんたちに立ち退きを迫る。もちろん、おしんには出て行く気持ちなどなく、結局ひとつ屋根の下で、二組の家族の不愉快な同居生活が始まった。
おしんが帰ってきて、仁に「どうだった?」と聞かれると、おしんは首を横に振り「残務整理をしている方にお会いしたけれど、何もわからないって」
仁「そんなバカな!判を押してある以上、責任はあるだろ?」
おしん「無理だよ。軍隊がなくなってしまったんだもの。
それに、実際、武官の方が間に入っていたらしんだけど、今となっては、その人を調べようもないって」仁「泣き寝入りなのかよ?」
おしん「仕方がないだろう。敗戦で、何もかもおかしくなっちまったんだから」
希望と禎が勉強をしていると、ジャズが聞こえてくる。
仁が「うるさい!」
女「うるさいんなら、出て行けばいいだろ!!」
仁「なんだと!」
おしん「よしなさい!」
女「図々しいったらありゃしないわね。行くところないって言うから、住むところが見つかるまでって置いてやっているのに。ウチ探そうともしないで、居座って!文句言えた義理じゃないだろうねー」
仁が立ち上がると、おしん「相手にするんじゃないの!」
仁「いったい、いつまでこんな生活続くんだよ!母さん、あいつら追い出せないなら、ここを出ようよ!あんなヤツと暮らすんだったら、野宿でもなんでもした方が、よっぽどましだよ!」
~中略~
田倉家
禎が一人でいると、希望が、サツマイモふかしてあるのがあるから食べたら?と声をかけます。禎は、おしんがまだ帰って来ないので、さみしそうです。
すると、同居人の娘がアメリカ兵と一緒にやってきて、禎に、チョコレートを差し出すと仁がやってきて「何がジミーだ!
アメリカ兵が、何をしたのかわかっているのか?
空襲で非戦闘員を何百万人も殺した!
広島と長崎では、原子爆弾を落として、どんな残虐な大量殺人をしたか!
そんなヤツからモノをもらうくらいなら、飢え死にした方がましだ!」
娘「よくも、そんな!」
奥から女が出てきて「まージミーさん、よくいらしてくださいまして♪」
仁「アンタたちは、人間のクズだよ!同胞を殺した男たちに媚びを売って!淫売!パン助!」
女「なんだって?もう許さないからね!人が同情して置いてやっているのに。もう、堪忍袋の緒が切れた!
とにかく出てらっしゃい!」と仁に怒って「さぁ、ジミーいらっしゃい☆
あなたのこと、ベリーベリー待っていたの♪」
そこへおしんと初子が帰ってくる。
おしんたちが、夕食を食べていると、相変わらず隣からジャズが聞こえてくる。
禎は、おしんに、アメリカ兵は何でも持っていると話す。
希望が「禎ちゃん!」
禎「さっきのチョコレートもらっておけばよかった」
仁は、箸を投げつける。
おしん「お母さん、明日、山形へ行ってくる」
希望「何しに?汽車なんてロクに走ってないよ」
おしん「ここを出たいの。このままでは、みんなダメになってしまう。山形へ行ったら、少しはお金を貸してもらえるかもしれない」
仁「僕、学校やめるよ。母さんの仕事手伝う!」
おしん「母さん、アンタたちに勉強してもらいたいから、ここを出るつもりにもなったのよ。農家の暮らしも少しは良くなったみたいだから、相談に乗ってもらえるかもしれないしね。
母さんには、そこしか当てにできるところないし」
山形
庄治の家の前で、とらが、買い出しらしい女たちを見送っている。指輪に首飾りをつけた、とらがご満悦にしていると、おしんがやってくる。
おしん「ご無沙汰しております」
おとら「よく来たこと~。大変だったね」
庄治が出てきて「おしん!よく来たな~
町の暮らしは、たいへんだろ?
このあたりだって、わざわざ買い出しする衆が増えてよ。
俺たちも長い間、貧乏小作でつらい思いをしたけれど、やっと辛坊した甲斐があった!
おしん!いよいよ日本も、小作や地主の制度が、なくなるってよ!マッカーサー元帥の命令でな、農地改革が断行されることになって、村は、今その話しでたいへんなんだ!」
おしん「ほんとに、そんなことが?」
庄治「やっと農民が報われる時代が来るんだ」
おしん「良かったな」
庄治「いろいろ難しい話があるみたいだけど、小作が地主から土地を安く買えることになるそうだ。おしん、もし銭の話しで来たなら、とても無理だ。
土地を分けてもらうことになったら、たちまち銭がいる。
ウチからだって、人から借りてるくらいなんだから」
おとら「それに長男が、嫁をもらうことになって、新しい家を建てようかと思って。先立つモノは、銭だもの。なんぼあっても、足んねーんだ!」と言って、家に入る。
庄治「いい調子で、裏の杉を切り出すことになって、それを分けてもらうつもりにはしているんだがな」
おしん「杉って、切り出して売るの?」
庄治「40年ばかり経ったのがあって、なんせ焼け跡の復興で、需要がいくらでもあるんだと」
おしん「40年もなるんだ。8つの時だった。杉の苗、背負って、毎日、毎日、山登ってつらかった。
この杉が大きくなったら、みんな私が買おうと思った。こんな苦労して植えたのに、人にやるのは、もったいないって。なのに、買うどころか、借金しに帰ってきて。
兄ちゃん!杉、売れたら、1000円でもいい、貸してくれ!
お願いします!」
庄治「おしん!この家を守ってきたのは、俺だ。いくら好きなことしたいと思ったか、わからない。
長かったぞ!
それがやっと、杉だって、田んぼだって、俺が食うもの食わねえで、血をにじむような思いで残してきたんだ。
命削って、俺の命と引き換えに」
おとらが「おしんさん!早く中へ入ってください!」
庄治「腹一杯食べて、俺たちには、それしかしてやれない」
おしんは、古い実家の中へ入る。
おしんには、言いたいことが山ほどあった。
が、何も言う気にはなれなかった。
兄に頼ろうとした自分の甘さが、悔やまれるだけであった。
せめて、庄治ととらのもてなしを故郷の思い出に、伊勢へ帰ろうと、おしんは寂しく心に決めていた。
参照元:
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前置きレビュー
自分流
基本、おしんは世間の常識より自分流の人です。
信念を持っているから、出来るのでしょうね。
感想
頑固なおしん
おしんは、雄の戦死したお上からの知らせを信じることなく、ひたすら雄の帰りを待ち続け、母としての尊い気持ちはわからなくはないけれど、子供たちに我慢を強いらせることになり頑固だなと思います。
隣の家から、お餅の匂いがすると、小学生の禎には、たまらないことだったでしょうね。
しかもジャズが聞こえる中の楽しそうな笑い声、食べるものがロクにないだけでもつらいのに、こんな隣人と隣り合わせの生活だなんて、正気でいられなくなります。
ついに、おしんは山形へ行ってくると言い出しますが、どうして山形なの?
それなら東京のお師匠さんのところへ行けばいいのに、おしんのこだわりがわからない。
ほくそ笑むとら
みんな飢え死にしないようにと、着物などを持って庄治の家に買い出しに来た代償が、おとらのキンキらな姿!
慣れないものを持ってしまうと、汚く見える典型な感じですが、物が豊かになったせいなのか、おとらも庄治も、愛想が良いです!
確かに貧乏だと荒むと思いますが、まさに”現金な人たち”です。
しかも庄治は「マッカーサー元帥のおかけで、農地改革することになり、小作や地主の制度がなくなる」とうれしそう。
浩太の悲願が、戦争に負けたことで、あっけなく通ってしまうなんて、浩太の肩を持つ気はみじんもないけれど複雑な心境。
庄治は、おしんが金のことで来たと察したのか、土地を分けてもらうことになれば金がいる、おとらはおとらで貞吉が嫁をもらうことになり、家を建てるのに「じぇに」がいると言う。
自分が嫁に来たころの恩など当然のようにみじんもなく、時代が変わっても作造の意思が残っているかのように「じぇに」が出てくるなんて皮肉です。
戦争に負けたことで、庄治の人生が、ようやく上がり調子になって嬉々としています。
戦前は、軍の仕事のおかげで潤っていた田倉家ですが、敗戦したことで、人生が一変。
そう言えば、世が世なら徳川のお姫様だった喜久子様も、買い出しに行ったとか、そんな厳しい時代ですが、下克上を見るような思いです。
~2月4日~高松宮宣仁親王同妃両殿下のご結婚記念日(1930年=昭和5年)
親王妃喜久子さまは、徳川家ご出身の超超お姫さま🏯
新婚19歳くらいで14カ月も、バッキンガム宮殿始め諸国へ訪問をなさったスーパー皇族の喜久子さま、敬宮さまに3首も和歌をお詠みに…嬉しい❢お写真:wikipediaさん pic.twitter.com/QhaW9mYJvB
— うずらなな (@uz_ranana) February 3, 2019
ご存命の皇族の方の中では百合子さまって貫禄というか風格がおありなのだけれど、勢津子さまや喜久子さまと並ぶとかわいらしく見えてしまうわ。
左から百合子さま、喜久子さま、勢津子さまよ。 pic.twitter.com/GuOTHSsy5Z— ルイーズ (@kazunoko_louise) June 4, 2016
裏の山に植えた杉の木を切って、お金にすると聞いたおしんは、あの杉は自分が植えた杉なんだから、当然、お金は自分のものになって良いはずなのに、庄治は、長男として命を削る思いをしてきて家を守って来たからと断固として断ります。
おしんも7つの時から奉公へ行ったといっても、シンデレラストーリーのような展開をみることになりましたが、庄治は、ようやく50歳くらいになって日の目を見ることになったのです。
山形へ行ったのは失敗だとは思うけれど、庄治の暮らしぶりが変るとわかったのは、良かったのかもしれません。
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