2019年12月16日(月)
あらすじ
終戦後、おしん(田中裕子)は、元の家主と同居していることが子どもたちの気持ちをゆがめていると思い、住み慣れた家を出る決心をします。
ある日、雄(ゆう)の戦友が訪ねて来ます。
おしんたちに雄がルソン島で餓死したことを告げます。
その夜、おしんは幼い日に俊作兄ちゃんからもらったハーモニカを、痛恨の想(おも)いを込め吹きます。
それは、戦争に反対しなかった自分への恨みであり、竜三と雄への鎮魂歌でした。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、冨塚規政、長島裕子、萩原等司、山下陽子、内田慎一、斉藤洋介
おしんあらすじネタバレ
田倉家
おしん、足を洗っている。
初子「大変な旅だったんですね。上野から貨車だなんて」
おしん「そんなことは、なんでもないんだよ。
ただ、なんのために商売を休んでまでも、山形くんだりに行ったのかと思うとね。
お金を貸してくれないことに恨むつもりはないけれど、人を頼る自分に情けなくてね。
行ってみて、気が済んだ!
私達の始末は、私達でつけなきゃね!」
初子「じゃあ、母さん当分ここにいるより他に」
おしん「働くわ!母さん、闇屋がヤダって言っちゃいられないもの。何度、おまわりに捕まったっていい。
母さん、闇屋、やってみせるわ!そしてね、お金がたまったら、ここを出て行くの。雄が帰ってきたときに、私達が、住める家にね」初子「私も、手伝います!」
おしんが、門の外に人影を見つけ「雄?」と言って、飛び出し、人違いとわかると謝る。
川村「お久しぶりです。川村です」
初子「母さん、川村さんですよ!連隊で雄さんとご一緒だった!」
おしん「雄の戦友の?」
川村「面会の時、田倉候補生とおはぎをご馳走になりました」
おしん「よくご無事で。いつこちらへ?」
~中略~
おしんは、庭に出る。
「僕は、とても女々しい男です。でも、時々どうして僕が、こんな異国でしゃく熱にやかれ、飢えに苦しみながら、あてもなくさまよい歩かなければならないかわからなくなります。
誰の何のために、母さん教えてください。僕は、お国のためよりも、天皇陛下のためよりも、母さんのために生きなければならなかったのに、母さん、ごめんなさい」
みんな寝ている時、初子は一人起きている。
すると、ハーモニカの音色が聞こえる。
初子が、庭を見る。
その夜、おしんは、幼い日、脱走兵の俊作兄ちゃんからもらったハーモニカを、痛恨の思いを込めてふいた。
中村雅俊、#おしん ではハーモニカ?#zanmai pic.twitter.com/EmZiNB5B9G
— blessing-in-disguise (@odafactory) April 29, 2019
それは、戦争に反対することを教えられながら、それをしなかった自分への恨みでもある。戦争のために命を失った、竜三と雄への鎮魂歌でもあった。
俊作がこのハーモニカに込めた思いが、おしんには今初めて自分の痛みになって、胸をえぐっていたのであった。
参照元:
前置きレビュー
田倉候補生
小説などでは「田倉少尉」になっています。
川村さんも「河村」になっています。
感想
カッコいい!おしん
山形の兄のところへは、当てにならなかったと諦めたおしんは、「闇屋がいやだって言ってられない。何度、おまわりに捕まったっていい!」おっと、田中裕子さん、カッコいい!!
すっかり中年のおしんですが、中年の女性の威厳があります。
つらい
夕暮れ時、これからお夕飯を作ろうとしているところへ、雄の姿を見たおしんは、駆け寄ると、雄ではなく、雄の戦友の川村さんです。
川村さんは、礼儀正しく敬礼の姿勢で、雄が戦死したことを伝えると、初子は気絶します。
紙切れ一枚で雄の戦死を信じなかった、おしんに同調するかのように初子も信じませんでしたけれど、現実になってしまいました。
川村さんは、雄が餓死したことを、切々と語りだします。
おしんは、母として命をもぎ取られる思いを押し殺し、川村さんの話しを受け留める姿が重い。
それとは対比した初子の悲しむ姿が、つらい。初子のように、愛する人の帰りを待って、無残にも戦死の知らせを聞くことになってしまった若い女性が、少なくなかったのだと思うと言葉が出ません。
川村さんも、戦友の身内のもとへ行って知らせるなんて、無念でたまらなかったと思います。
戦場は地獄です。
重すぎて、書けない。
おしんが、力なく俊作兄ちゃんからもらったハーモニカを吹く姿は、老いたおしんを感じさせ、時代に流されてしまった運命を痛んでいるのがわかります。
そして、奈良岡さんの乾いたナレーションが、涙を誘います。
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