2019年12月17日(火)
あらすじ
長男の雄(ゆう)の戦友が訪ねてきて、雄がルソン島で餓死したことを告げた。
雄の死が確かなものになり、おしんは初めて雄の葬式を出しました。
終戦という日を境に、さまざまなものの価値観が天と地ほど変わったのは、おしんにもようやくのみこめていました。
そして、雄の戦死が疑う余地もない事実だとわかり、田倉家でも大きく何かが変わろうとしているのを、おしんは肌で感じます。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
田中裕子、冨塚規政、長島裕子、萩原等司、山下陽子、内田慎一、赤木春恵
おしんあらすじネタバレ
田倉家
雄の声「母さん、日本は遠い。とっても遠い。母さんとの約束は、守れそうにありません。
初ちゃんとも約束をやぶることになりそうです。初ちゃんには、僕のことは忘れて、幸せを見つけるように伝えてください。
もし、生まれ変われるのなら、今度は戦争のない時がいい。
そして、やっぱり母さんの息子がいい。
初ちゃんと巡り会えたらいい。
そしたら親孝行もできます。
初ちゃんと未来を語り合うことも」
おしん、初子、仁と希望、禎が、遺影を前に合掌していると、隣からジャズが聞こえてくる。
仁「母さん、僕、もう我慢できないよ!ここ出ようよ!」
おしん「仁」
仁「父さんだって、雄兄さんだって、年中あんなもの聞かされていたら、成仏できないよ!
申し訳ないよ!」
おしん「仕方がないでしょ。母さん、これから一生懸命働いて、お金儲けるわ。
父さんも亡くなった。雄も、もう帰って来ない。
母さん、がんばるしかないもんね。
もう誰も頼りにしない。母さん、この戦争でなくしてしまったもの、きっと取り返してやる!
母さんの腕一本で、取り返して見せるから」
~中略~
田倉家
おしんが目を覚ます。
おしんが、初子の部屋をのぞくと、布団が折りたたまれている。
家の中を見回るが、初子の姿がない。
おしんが、仁に「初ちゃんがいないのよ」
仁が「初ちゃんの布団の下にあったよ」と、手紙を差し出す。
おしん「初ちゃんが書いた手紙じゃないの」
初子「母上様
やはり、お暇をいただくことにしました。私は一つの人生を生きて、一つの人生を終わりました。
ほんとうに幸せでした。
母さんやみなさんのご恩は、終生忘れません。
ちゃんとご挨拶しなければならないのですが、つらくてできませんでした。
お許しください」
仁「どうして初ちゃん、こんなこと?」
希望「雄兄さんのことが、こたえたんだよ」
仁「ウチ出て、どこへ?」
おしん「山形へ帰ったんだよ。母さん、そうしなさいって、すすめたから」
仁「だったら、何も、こんなコソコソ出て行くことないじゃないか。勝手だな。雄兄さんが帰ってこないとわかったら、サッサと見きりつけて」
おしん「何てこと言うの、初ちゃんの気持ちも知らないで!」
仁「わかっているさ!でもね、どんなにつらくったって、自分のことを考える前に、つらいの我慢して、母さんを助けてやろうって思うのが、ほんとうじゃないか?
母さんが、一人なのを承知して、国へ帰っちゃうなんて」
おしん「初ちゃんに何かしてもらおうと思って、初ちゃん引き取ったワケでも、育てたワケでもないよ。
でも初ちゃん、田倉の家のために良くやってくれた。母さん、それだけで十分」
禎が、おしんたちが帰るのを待っている。
おしんが帰ってくると、禎「母さんに、お客さま」
ひさが出てきて「おしんちゃん!待っていた甲斐があった!」
おしん「いつ、お帰りになったんですか?」
ひさ「4~5日前、アンタに会いたくってな」
おしん「ご無沙汰しておりました」
ひさ「ご無沙汰は、お互いさまだよ。空襲やら終戦で、世の中、ひっくり返っていたからな。自分が生きるので、精一杯だったもん。それより、アンタ無事で何よりだった」
竜三と雄の遺影。
ひさ「なんとしても会いたいしな、待たせてもらおうと思って、ここにあげてもらったら、竜三さんと雄ちゃんが、祀ってあるなんて、びっくりしてしまってな」
おしん「ほんとに、生前はお世話になりました。雄は、ほんとかわいがっていただきましたのに、おかみさんとこはみなさん?」
ひさ「東京の息子の家はな、郊外だから、焼けなくてすんだんだ。
みんな無事だ」
おしん「じゃあ、伊勢へは?」
ひさ「アンタ、帰ってきたんだよ!やっと船を出しても良いって、知らせがあったからな、食糧不足だし、魚を捕る船はな、ガソリンの配給があるって」
おしん「そうですか!それじゃ、また昔のように?」
ひさ「男の子が3人もいても、誰一人として、漁師になる人がいないんだ。それだったら、私が、もうひと踏ん張り、がんばってやるか!と思って」
おしん「帰っていらしたんですか?」
ひさ「伊勢は、いいわー!海は、いいわー!あの家だって、ちゃんと残っていたし」
おしん「私も、あのおかみさんとこの、海辺の家、懐かしくて、何回も行きたいと思ったんだけど、なんだかんだって毎日の暮らしに追われてしまって」
ひさ「おしんちゃん、アンタ、ウチへ来ないか?
禎ちゃんから、話し聞いたんだけど、この家は、アンタらの家じゃないのか?ほんとなの?」
おしん「いろいろ手違いがあったらしいんです」
ひさ「出て行けーって言われているんか?」
おしん「そんなことまで、禎が?」
ひさ「やっぱり、ほんとだったの?それなら、何もイヤな思いをして、ここにいることないって!ウチへ来なさい!
一緒に、暮らそう!
ウチへ来てくれたら、にぎやかで、どんなに心強いかわからない!そうしよう!」
参照元:
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感想
おしんの覚悟
おしんは、この戦争でなくしてしまったものを取り戻すと覚悟を決めますが、おしんと同じような思いを持った人は、大勢いたのではと思います。
そんな日本人が多くいたからこそ、奇跡の復興を遂げたと言われたのだと思います。
おしんの覚悟のようなものが髪型にも現れて、中年のおしんのきれいさを際立たせ威厳があります。
初子も
初子も、とうとう置手紙を残し、田倉家を去りました。
おしんが初子を大事にしてくれる思いは、初子には痛いほどわかっても、かえってそのことが、つらいのだと思います。
おしんのもとで甘えてしまうよりも、離れることで成長をさせた方がいいと考えたのかもしれません。
おたいさん
別れがあれば、出会いもあります。
竜三、雄、そして初子と、おしんのもとから去っていき寂しい中、それを埋めるかのように、おたいさんが訪ねてきました。
戦争で生き延びたことを、互いにわかちあいます。
戦争の中での、生死との狭間に生きなければいけない、つねに恐怖が隣り合わせである、そんな時代があったのです。
おたいさんは、禎ちゃんから事情を聞いて、家に来なさいと言ってくれます。
渡りに船とは、まさしくこのこと。
ちゃんと、おさまるべくしておさまりそうで良かったです。
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