2020年2月3日(月)
あらすじ
時あたかも、高度経済成長の時代が始まろうとする頃でした。
おしん(乙羽信子)が店をセルフサービス方式に切りかえたのも、時代の空気を肌で感じていたからです。
しかし、手探りの中での新しい店のオープンは、息子の仁(山下真司)との意見の相違もあり、なかなか容易なことではありませんでした。
そんな昭和31年の春、陶工の修業をしている息子の希望(のぞみ)と百合の結婚式が行われることになります。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
乙羽信子、田中好子、山下真司、塩屋智章、大友柳太郎、丘山未央、田中美佐子、風見章子
おしんあらすじネタバレ
田倉商店
昭和30年の後半から日本は神武景気と言われた好況が訪れ、「もはや戦後ではない」という言葉の流行と共に、高度経済成長への時代が始まっていた。田倉商店には「勝手ながら本日臨時休業させていただきます。」の貼り紙。
そんな昭和31年の春、陶工の修行をしている希望と百合の結婚式が行われることになった。
おしん、留めそでを着て、初子と支度をしている。
道子は、部屋でコーヒーを入れている。
道子「わざわざお母さんや初子さんは店を休んでお式に行くのよ。どうして、アナタは出席しないの?」
仁「俺はな、いろいろと仕事が忙しいんだよ。希望の結婚式どころじゃないんだよ」
道子「だって、兄弟同様に育ってきたんでしょう?」
仁「母さんと初ちゃんが行くんだから、それでいいんだよ。俺はな、今日、商品の搬入日を決めないといけないんだよ」
道子「ねぇそれがすんだら、今夜、外で一緒に食事しましょうよ」
仁「そんなぜいたくはしていられないだろ?」
道子「心配ないって!私のおごり」
仁「何言ってんだ!ロクに生活費ももらっていないクセに」
~中略~
窯元
おしんと初子が、希望の窯元へやってくる。
希望が百合と現れるが普段着に、おしんは、「アンタたち、まだそんな恰好して。もう式の始まる時間でしょう?」
希望「僕たち、このままで」
紋付を着た栄造が「いやー私も、なんとか式らしい式を挙げて、披露宴もどっかでと思ったんですがね」
希望「申し訳ございません。先生のご厚意は、本当にありがたいんだけど、いままで5年間、僕を育ててくれた先生やお世話になった仲間たちに、この仕事場で祝福してもらえたら、その方が何よりの記念にも思い出にもなると思って。
それに先生と奥さんに仲人をしていただけるんですから、それだけで」
ふみ「希望さんも百合ちゃんも、ウチに縁があって、主人も私も可愛がっていた人たちです。せめてそれくらい」
おしん「ほんとうに、ありがとうございます。私が希望の親代わりですのに、何にもしてやれなくって。みんなそちらさまのお世話になってしまいまして」
栄造「いやいや、私だって何も。ただほら仲人でしょ、せめて紋付きくらいはと思いまして。それに会費は弟子たちが出し合いましてな」
希望「それだけは、みんなの気持ちだからありがたく」
そこへ百合が、お茶を持って現れ、ふみ「まぁ百合ちゃん、アナタいいのよ。今日は、そんなことは。それに、そろそろ時間じゃないの?まぁまぁ結婚式の日まで働いているなんて」
栄造「いやーそこが百合ちゃんのいいとこなんだよ、なっ」
みんなで盃を持ち、栄造「希望くん、百合ちゃん、おめでとう」祝杯をあげます。
式と言っても、簡素な披露宴だけであった。
が、静かに寄り添っている希望と百合の姿に平凡だけど、着実に生きていこうとする二人の思いがにじみ出ていて、おしんは深く心打たれていた。
~中略~
田倉家
おしん、初子の分とお茶漬けを用意していると、仁と道子が帰ってくる。
仁「ずいぶん早かったじゃないか」
道子「結婚式だから、ごゆっくりだとばっかり。お夕飯召し上がらなかったんですか?」
おしん「お式はね、お昼過ぎに終わったからね」
仁「折詰くらいもらってくるかと思ったからさ、晩飯の支度いいだろうって言ってたんだよな」
おしん「そんなぜいたくな結婚式じゃないよ」
仁「だけど、そうとう包んだだろ?それで引き出物も出ないの?」
おしん「希望の作品だよ。記念にって」
仁は、目の前の壺を手に取ると「これ、どこがいいの?味噌か塩でも入れるの?」
初子「温っかいの形が」
仁「温っかい・・まぁこういうのは好き好きだけどさ、それにしても高い壺だね。これじゃ赤飯の一折(ひとおり)でももらった方が良かったんじゃないか?」
仁と道子が笑うが、おしん黙っている。
道子は、後は私が片づけるので、そのままでと言うと、おしんが「道子さん、アンタたちお夕飯は?」
道子「今夜は、たまのお休みだったので、仁さんと外で」
おしん「アナタね、今ウチがどういう状態か知らないハズはないでしょう?
新しいお店に、どれくらい費用がかかるか」
道子「田倉のお金なんて、1円も使っていません!父からもらったモノで食事をしてきたんです。私だって、今ウチがどれくらい大変かくらいわかってます!
だから生活費だって、お母さんからいただいた分じゃ足りなくても、お母さんに黙って父からもらったモノで補ってやってきたんです。
たまに外で食事をしてきたって、お母さんに文句を言われる筋合いなんてありません!」
おしん「はっきり言っておきます。アナタは田倉の人間なのよ。道子さんの実家にびた一文援助を受ける理由がないんですからね!私が、お渡ししている分で、ちゃんと賄ってもらいます」
道子、黙って出て行く。
仁「母さん、道子はロクに生活のやりくりなんてしたことないんだよ。だから足りないと、自分の責任のように思うんだよ。川部のオヤジさんだって、娘に苦労させるのかわいそうだからって、そっと援助しているだけのことじゃないか。
母さんが、がみがみ言うことじゃないだろう?」おしん「情けないね!嫁の実家に金を出してもらって、お前、悔しいと思わないのかい?」
仁「だから、川部のオヤジさんは、娘がかわいいだけのことなんだよ!
そんなの甘えていればいいじゃないか!
そんなつまらないことで、道子とまずくなることないだろう!
いい加減にしてくれ!!!!」と言って部屋を出る。
おしん「希望と仁は、同じように育ててきたつもりなのに、どこでどう間違って、あんな違った人間になってしまったんだろうね」
初子「仁ちゃんは、新しいお店を何が何でも成功させたいって、一生懸命なだけなんですよ」
おしん「けど、情けないよね。人間、お金がないと嫁にまでバカにされて。
初ちゃん、どんなことがあっても、新しい店は失敗できないよ!」
仁の部屋
道子「生活費、足りない分を私が出して、どこが悪いのよ?
礼を言われたって怒られることないと思うわ!
あんまりうるさく言うなら、私名古屋へ帰してもらう!
お金もないくせに、プライドだけは人一倍、強いんだから!
とても一緒になんて」
仁、道子を抱く。
田倉商店
金銭登録機が、店に入る。おしん「この金銭登録機があるから、セルフサービスの店が成り立つんだよ。
新しい店の心臓だからね」
初子「こんなモノ、私使えるのかしら?」
おしん「今日から早速教えてもらって、ウンと練習しないとね!初ちゃん、頼んだよ!」
金銭登録機が入ったことで、田倉商店はいよいよオープンへのスタートを切ることになった。
それはまた、おしんの命運をかけた出発の第一歩でもあった。
参照元:
赤飯の数え方
折り箱に入ったお赤飯は「折」、重箱に入ったお赤飯は「重ね」で数えます。
前置きレビュー
お店に、金銭登録機(レジ)が入りましたが、まるで子供服を始めたころ、ミシンをお店に入れた時を思い出すような光景です。
感想
結婚式
結婚式と言えば、おしんと竜三は、二人で神社に行って、お参りをしただけのシンプルなものでした。
洒落たものが好きな竜三には、不満だったのではと思うけれど、おしんと一緒になれただけで満足だったのでしょう。
仁は、尻に敷かれた道子の言うがままに盛大な式を挙げましたが、希望は、世が世なら加賀屋の跡取り息子なので、格式ある式が出来たはずなのに、厳かに、仲間から祝ってもらう地味婚と、三者三様で面白いです。
花嫁の百合ちゃんよりも、初子の艶やかな着物姿が際立って見惚れてしまいますが、いつまでも独身でいる初子が、あぁもったいない。
感じ悪い~
師匠や仲間たちから温かく見守れた希望の式が終わり、ホッとしているところに、仁は、希望の焼いた壺を見て難癖をつけますが、感じ悪いですね~
この感じの悪さ、おしんの父の作造に似ている。
仁の感じの悪さを、さらに倍化させたような道子の態度!
おしんからの生活費からでは足りないからと、実家からの援助で補っていると、言っちゃいましたね~
あまりに育ちが違うと、大変だ。
やっぱり仁には、百合ちゃんよりも道子の方がお似合い。
金銭登録機
この頃は、テレビもそれほど普及していないはずです。
いったい、金銭登録機が登場したことは、どれほどのインパクトだったのか、想像できません。
初子には、ドキドキだったのでしょうが、さすが、おしんは腹をくくっているので落ち着いていますね。
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