2020年2月12日(水)
あらすじ
突然、名古屋から帰ってきた禎(てい)は、大学をやめると言ったきり店のレジへ入り、おしん(乙羽信子)を避けているようでした。
おしんには、何があったのかさっぱり見当もつかず、不安な思いで仕事が終わる時間を待ちます。
その夜、禎は、おしんと仁(山下真司)に、大学をやめて一生田倉の店で働きたいと切り出します。
新しい店のオープンのとき店を手伝った経験から、働くことのすばらしさを実感したというのです。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
乙羽信子、田中好子、山下真司、浅沼友紀子、渡辺寛二
おしんあらすじネタバレ
田倉商店
その朝、突然名古屋から帰って来た禎は、大学をやめると言ったきり、店のレジに入ってしまい、わざとおしんを避けているようであった。
おしんには何があったのか、さっぱり見当もつかず、不安な思いで店が終わるのを待つより他なかった。
初子が台所仕事をしていると、禎が入って来て、何か手伝うと言うが、初子は、何があったか知らないが、母さんを心配させたらかわいそうだと話しますが、禎は耳に入れようとしません。
おしんが入って来て、禎を茶の間に呼ぶ。
仁「お前、大学やめるんだって?お前、そういうことは軽々しく口にするもんじゃないぞ!
おまけに、そのたびに高い電車賃使って帰ってくるんじゃ」禎「ほんとに、やめるんだもん」
仁「この前は、なんの断りもなしに名古屋へ帰っちゃって、そうまでして行きたい学校なら、ちょっとくらいつらいことがあっても、しんぼうして行くのが当たり前だろうが」
~中略~
調理場
調理場で、おしん、初子、辰則、禎がいる。
禎「終わった!」
禎は、辰則の仕事を見て「辰則さんは、なんでもできるんですね?」
辰則「器用貧乏なんですよ」
禎「お兄ちゃんは、サッサと引き上げちゃったのよ。辰則さんも、もうお休みなさいよ」
辰則「奥さんや初子さんが働いているのにそんな」
おしん「いいのよ、こんなこと女の領分なんだから、無理しないで休んでちょうだい」
辰則「だいじょうぶです。私も、こういうことキライじゃありませんから。それより、奥さんこそ、仕入れで朝早いのに、毎晩、体を壊さないかと心配で」
おしん「私はね、若い時から鍛え方が違いますからね!」
禎「また自慢話が始まった!」
~中略~
おしんの肩を禎がもんでいる。
おしん「肩なんてもんでもらっても嬉しくないよ。そんなにイヤだったら、しばらく遊んでいていいから。気が済んだら、サッサと名古屋へ帰りなさい」
禎「まだ言っている。下宿も引き上げちゃったのよ。名古屋へ帰っても寝る場所ないんだから」
おしん「辰則さんとの結婚、母さん許さないから!」
禎「どうして?いい人じゃない。田倉のために一生懸命だし。
新しい店が、ここまでこれたのは、辰則さんの努力があったからなのよ。仁兄ちゃんだけじゃ、どうなってたか?」
おしん「そんなことはね、アンタに言われなくても、母さん、よーくわかっています。
ほんとにありがたいと思っているわ。でもね、それとアンタの結婚は、別でしょう」
禎「私が好きなら、問題ないことでしょう?」
おしん「何もね、辰則さんと一緒になって、この店の苦労することないじゃない。
アンタは、まだまだ他に」
禎「母さん、辰則さんには親も兄弟もいないのよ。
姑や小姑の心配することないし、一生母さんのそばにいられるの。お婿さんにするには最高の条件じゃない?
辰則さんやさしいから、きっと母さんを大事にしてくれるよ」
そう言って、自分の部屋へ行く。
おしん「親の心、子知らずとはほんとだね。せめて禎だけは、大学を出してやりたかったのに。商売の苦労は、私と仁とで、もうたくさん。
仁には手を焼いたけど、禎だけは親の言うことを聞く、いい娘だと思っていたのに。
いったい、何を考えているんだかね」
辰則が朝、店に出ると、禎がレジにいて、辰則に朝のあいさつをする。
禎「お兄ちゃんは、まだ寝ているの?」
辰則「店長は、帳簿の整理で夜遅くていらっしゃいますから」
禎「のん気ねー何もかも、辰則さんに任せて」
辰則「これが私の仕事です。高いお手当ちょうだいしていますから。禎さんは、何もこんな朝早くから」
禎「こんな時でもないと、辰則さんとゆっくりお話もできないから。忙しいんだったら、働きながら聞いてくれればいいの。辰則さん、私をお嫁にもらってくれる気がある?
結婚して、夫婦でお兄ちゃんたちと田倉をやっていくの」
辰則「冗談にも、そういうお話は不謹慎です!」
禎「私は、まじめよ。だから今朝も早起きして、辰則さんの気持ちを確かめているんじゃない。
これはね、お兄ちゃんの希望でもあるの。お兄ちゃんは、辰則さんに、一生田倉を助けてもらいたいから」
辰則「だったら何もそんなこと。私は、たとえ一人だろうと、誰と所帯持とうと、出て行けって言われない限り、こちらでお世話になるつもりなんです。
禎さんが、つまらない心配をなさらなくても、できることなら、私は一生こちらでと」
禎「私は、お兄ちゃんのためでも、田倉のためでもない!自分のために辰則さんと」
辰則「禎さん、どうして私みたいな男と。からかわないでください!」
禎「辰則さん!私は、本気よ!だから、学校もやめて帰ってきたんじゃない?」
辰則「お断りします!私は、禎さんと結婚できるような男じゃありません。そんなことしたら、お世話になった奥さんを裏切ることになります」
禎「辰則さんは、私がキライ?」
辰則「禎さんは、大学へお帰りになるんです。奥さまのお気持ちがおわかりになるなら、大学へ戻って、立派にご卒業になることです!」
参照元:
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感想
禎ちゃんの心変わり
禎ちゃんは、大学へ行くより働く方が有意義だと言いますが、7つの時から、よその家で奉公をして働いてきたおしんの娘なだけあり、血は争えないということか。
それでも、このタイミングで大学を辞める必要はないのにと思うけれど、当時は、今よりも情報がなかった時代なので、家の店の手伝いをする方が、ましに思えてしまったのかもしれない。
おしんには、自分が叶えることはなかった学校へ行って、もっと広い世界を見て欲しかっただろうに、しかも辰則と結婚しても良いとまで言って、おしんの複雑な表情、面白く思わないでしょう。
辰則が、亡くなった母の話をしていると、禎ちゃんは、目を輝かせて聞いて、徹にはない人としての誠実なものを見た思いなんでしょうね。
辰則に決めた理由
名古屋の徹とは、何もかも真逆な辰則ですが、禎ちゃんが、辰則と結婚をしても良いと思った理由の一つが、辰則さんには身内がいないので、姑や小姑の心配をすることがない!!!
すごい理由で、笑っちゃいました。
辰則だったら、一生、かしづいてくれそうですもんね。
考えてみたら、禎ちゃんは戦争中、他人の家に疎開していたので、余計、自分にとっての幸せとは、守ってくれる、大切にしてくれる存在が必要だと気が付いたのかもしれません。
守ってくれると思った竜三は、自害してしまったけれど、辰則の明るさには、そういう暗さは微塵もありません。
それにしても、大学を辞めてまで、辰則の事を考えて家に帰ってきたのに、まさか辰則にふられてしまうなんて思うようにいきませんね。
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