2020年3月16日(月)
あらすじ
おしんと仁がスーパー「たのくら」を開いて30年が過ぎました。
小規模ながらも県内各地に16店舗を展開するまでになり、昭和58年春には、百貨店規模の17号店をオープンすることができました。
しかし、大手スーパーが17号店と同じ町に進出したことで、すっかり客足が落ちてしまいます。
今まで築きあげてきたものをすべて注ぎ込み総力を挙げて立ち上げた17号店だっただけに、田倉の打撃は大きく、おしん(乙羽信子)は「たのくら」倒産の覚悟を決めるのです。
参考:Yahoo!テレビ
おしんキャスト
乙羽信子、高橋悦史、浅茅陽子、桐原史雄、大橋吾郎、鈴木美江、川上麻衣子
おしんあらすじネタバレ
田倉家
おしんと仁が”スーパーたのくら”の1号店を開いてから30年。
小規模ながらも各地に16店を有し、昭和58年の春には、百貨店並みの17店目をオープンすることができた。
が、同じ町に大手のスーパーが進出し、田倉の客足はたちまち衰えた。
いままで築き上げてきたものを全てつぎ込んだ17店目だっただけに、田倉の打撃は大きく、昭和59年の新春も、田倉家には暗いモノだった。
辰則が、おしんに説明をしていて、仁が「年末年始に、全然売り上げが上がらないんですよ。
客がボツボツ入っても、ウチじゃ買わないんです。
ようするに品定めに来ているんですね。
比べられたら、大手にかないっこありませんよ。
たとえ規模は大きくても、しょせんウチは地方スーパーです。
センスも違うし、値段だって流通機構の合理化で、コストの安い大手には。
今は、地方も生活水準が上がって、客の好みも個性化しているし、目も肥えてきているんですよ。
ひところのように、安ければいいと言う時代は、終わったんですよ」
おしん「それがわかっているんなら」
仁「まさか、大手スーパーが出てくるなんて予想もできなかったし、見通しの甘かったのは、第一の敗因ですよ。
第二は、田倉分不相応な、設備投資をしたってことなんですよ。しかし、最初の目標通りの売り上げさえあれば、借金だって、何年間で立派に返済できるはずだったんです。
しかし、今のような状態では、とても利息さえ払える見込みはありません」
おしん「仕方がないね。当分は、他の店の利潤で補っていくんだね」
仁「他のお店の利潤って言ったって、まだ借金が残っている店が2店もあるし、だいたい小さい店の支店のあがりなんて、たかがしれているんですよ。母さんの言う通り、17号店は、出すべきじゃなかったのかもしれない。
しかし、今までのような小さな規模じゃ、売り上げだって頭打ちだし、田倉も伸びようがないと思ったから、17号店にかける気にもなってみたんです。
しかし、それが裏目に出たのは、田倉に運がなかったんで、そりゃやれるだけは踏ん張ってみるつもりです。しかし、いつ不渡りを出すか、今月末が期限のヤクテの手当てもまだついてないんですからね。
母さんにも覚悟してもらいますよ」
おしん「よくわかったよ。じゃあ17号店を売り飛ばしてしまうんだね」
辰則「売れるモノなら、売りたいですよ。しかし、ウチが大手を向こうへ回して四苦八苦している店を、いったいどこが買うって言うんですか?」
仁「借入金を整理して、最後にどれだけ残るかわかりませんが、まず17号店を。次に、この家と土地を手放さなきゃならないでしょう。たとえ1店でも2店でも、店は残すようにしないと。
それに今まで銀行からの借入で、やりくりしていたものを、それができなくなるのですから、そうとう厳しいモノに」おしん「そうだね、考えてみたら、人さまのお金で金儲けしていたようなもんだからね。それも信用がなくなると、できなくなってしまう。今の世の中は、お金を持っている人だけが、いくらでもお金儲けができるからね」
仁「申し訳ありません。母さんが30年、育ててきた田倉を、私が潰すようなことに」
おしん「母さんは、平気だよ。父さんや雄の代わりにがんばって、父さんが夢だった店もいくつか出せた。
雄が心を残していった初ちゃんにも、店を出させてやれた。
仁や辰則さんのおかげで、田倉の全盛期も見られた。母さん、それで十分だよ。
いつお迎えが来ても、なんの後悔はないからね。
仁!母さんね、今までに何度も丸裸になってきた!
そのたびに、なにくそ!と思って這い上がった。
お前が、苦い思いなんてするの初めてじゃないか。
まだまだいくらだってやり直しはきく!
母さんになんか謝ったりしているよりも、早く一から出直すこと考えなきゃ!
ただね、田倉を信じて尽くしてきてくれた従業員の人には、できるだけのことをして欲しい。
母さんの言いたいのは、それだけだよ」
~中略~
離れ
おしん「へーえ、離婚するなんて言ってるの?」
圭ちゃん「おばあちゃんも、知らなかった?」
おしん「道子さんやね、あかねたちとは、あんまり話さないからね。おばあちゃん、なるべくあの人たちに干渉しないように、お荷物にならないようにと心がけているんだけれど、今に始まったことじゃないんだど、おばあちゃんが、田倉を救う力になれなかった時から、ますます気持ちが離れて行ってね、今じゃ一緒に、食事することもないの」
圭ちゃん「じゃあ、おばあちゃんずっと一人ぼっちだった?」
おしん「若い人達にとっちゃ年寄りなんて鬱陶しいだけだよ。
若いモノには、若いモノの考え方や暮らし方があるから、おばあちゃん、なるべく入り込まないようにしているんだよ」
圭ちゃん「みんなと同居していて、そんな寂しい話しってあるもんか。おかしいよ」
おしん「一人ぼっちが、なんでもならなくなきゃ、年寄りなんて同居する資格なんてないんだよ。だけど、仁と道子さんが別れるなんて、初耳だね。仁も、何にも言わないんだもの」
圭ちゃん「僕だって、あかねさんから聞いたんだけど、まさか家族の気持ちが、そこまで離れているとは知らなかった。夫婦なんて、冷たいもんだね」
事務所
仁と辰則がいる。
おしんがやって来ると「仁!お前、道子さんと離婚するなんてほんとうなのかい?」
仁「道子の希望なんですよ。俺だって、その方がいいと思ってね」
おしん「じゃあ、家族がバラバラになってもいいって言うんだね?」
仁「心配いりませんよ!母さんの面倒、俺みるよ!」
おしん「私のことなんて、どうだっていいんだよ。お前の本心を聞きたいの!」
仁「そりゃ、家族肩寄せ合って暮らしていけるのがいいに決まっているでしょう。しかし、できないこと言ったって」
おしん「できないってことないじゃないか。ぜいたくな暮らしをしている時は、家族なんてあってもなくてもいいんだよ。
これからが家族にとって大事な時なんだよ!
お前一人ができないことだって、家族一緒だったらできることだってある。それを自分から捨ててしまうなんて」
仁「捨てるのは、道子ですよ!俺にはいつくばって、道子を引き止めろって言うんですか?バカバカしい!」
おしん「あぁ道子さんに、どうしてもいて欲しかったなら、はいつくばってでも引き止めるんだね!
意地だとかメンツだって言っている時じゃないだろ?」
仁「母さん?」
おしん「今頃になって離婚するなんて、母さん絶対反対だからね!」
参照元:
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感想
しっかりしたおしん
仁は、淡々と敗因を説明しますが、おしんは、とても冷静です。
80歳過ぎても、たとえ貧乏になったとしても平気と言えるなんて、そんな元気、管理人には毛頭もありません。
仁だって、50歳過ぎて、若い年でもないのに、おしんは気丈に葉っぱをかけます!
この元気さ、ため息しか出ない。
おしんにしてみたら、「なんてだらしがないの!!」と叱られそう。
寂しい
道子は、田倉が危うくなったからと、仁とは、さっさと別れるつもりだなんて、道子らしい。
もっと早く別れていても不思議じゃなかったのに、よく持ちました。
そこへ行くと孫のあかねは、道子のような嫁としての憎しみがない分、破談になったとは言え、おしんのことは好意的に思っていて救われた気分です。
若さからなのか健気なのか、あかねは道子に似なくて良い子。
仁は見通しの甘さから、危機に追い込まれたとはいえ、経営者として、それなりに自信をつけてきたと思うのに、「今だったら慰謝料だって払ってやれるんだ」そんな風に言ってしまうなんて、なんだか寂しいです。
おぉっと!
おしんは、道子との結婚生活に終止符を打つと聞いて、黙っちゃいません。
今時の価値観では考えられないと思いますが、そう簡単に縁を切ってはいけないと、正面切ってぶちまかすおしん、うひゃ~でございます。
おしんは、あんな佐賀のお姑さんと関わって行くのがイヤで家を出て、それでも自分の行きたいように人生を切り開き、ついには竜三を従えてしまうくらい強いからやって来れた。
それを思うと、仁は、情けない限りで、このまま別れるとあっては見苦しいのだと思う。
感想欄は放送後に追記します。
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