2020年5月9日(土)
はね駒キャスト
斉藤由貴、美保純、高橋ひとみ、二谷友里恵、山谷初男、吉宮君子、菅原あき、中村美代子、小池栄、スザンナ・ボカージュ、ジュディ・サッカイム、白川由美、沢田研二
はね駒 あらすじ ネタバレ
校長から毅然とした態度で、建白書を突き返されてしまった二宮しづ(高橋ひとみ)と里見なつ(吉宮君子)は、授業ボイコットという強硬手段に出て、部屋に端座したまま動こうとしません。
日本人が自国の文化や伝統を知らず西洋文明だけを詰め込まれても、西洋かぶれの安っぽい日本人になるだけだと抗議したのです。
りん(斉藤由貴)は正直、2人の訴えたような内容を真剣に考えたことがなく悩み続けます。
松浪先生や田島先生の懸命な説得も、通じません。
学校や学問を思う二人の信念に、同級生の浜田くには同調します。
りんは、できれば二宮しづたちと行動をともにしたいと思うようになりますが。
前置きレビュー
厳しい現実
新しい時代のため、女子にも勉学は必要だと考えますが、それは西洋のものばかりではなく、国語・漢学なども日本人として生きていくには、必要だと言うのですが、学校側の方針で受け入れようとしません。
今のインターナショナルスクールのような立ち位置だったのかもしれませんが、二宮しづと里見なつは、日本の事も学べると考えていたとは、情報の行き違いだった。
しっかり情報を開示して伝達することは、大切なことなのだと思います。
二宮しづと里見なつの考えに、浜田くにも賛同します。
給費生として大変な毎日のおりんちゃんには、考えもつかなかったことですが、西洋のことを学びたいとは思ったものの、日本のこともちゃんと学びたいと、納得のできる話しです。
おまけ
昭和50年のドラマ「悪魔のようなあいつ」で、ジュリーと悠木千帆こと樹木希林さんが共演していますが、二人とも「はね駒」とのギャップが激しい!!
感想
それぞれの意見
二宮しづと里見なつがボイコットしたと話題になりますが、お嬢さまの水野節子は、校長先生が間違ったことを言うはずがないから、ボイコットするなんて良いことではないと言いますが、素直にお育ちになったのですね。
浜田くには、二宮しづの考えに賛同しますが、高木みどりは「正論って、あんまり好きじゃないの。だって文句のつけようがないからつまらない。いろんな考えがあったっていいんじゃないの。賛成か反対の2つだけしかないなんておかしいわよ」
八百万の神がいる国なので、高木みどりの意見に賛成。
高木みどりみたいな人がいると、ギスギスしないで風通しが良いと思うな。
すると水野節子は「そんなのは卑怯だ!」と、さすが軍人を父に持つだけありますが、高木みどりとは水と油のようです。
「ボイコットは誰でもできるのか?」なんて、のん気なことを言っているおりんちゃんは、ダンマリで出る幕がない。
ぼうぜんとするおりんちゃん
松浪先生は、二宮しづと里見なつを説得していると、浜田くにたちが入って来て、自分たちもボイコットに加わると言います。
これで仲間が増えれば、学校の方針が変わるかもと、少し期待すると、二宮しづは「あなたたちは、まだ私達ほど考えていないから、考えてからでも良いから、もうお帰りなさい」
なんと落ち着いた大人な発言なんでしょう。
凛としていて、高橋ひとみさん、カッコいい!
おりんちゃんは、一人取り残されたかのように、ぼうっと立ち尽くしていますが、現実をよく見てこなかった自分を恥じて、みなに遅れまいとしていたのかもしれません。
そんな様子に、田島先生が声をかけようとすると、松浪先生は止めて「あの子にも、考える時間を与えてください」
なんて優しいの!
おイネさんの過去
おりんちゃんが落ち込んでいると、おイネさん、砂糖水を持ってきてくれます。
この当時は、清涼飲料水などないだろうから、砂糖水だったのか?
確かに、マリーアントワネットよりも贅沢しているんじゃないかと思う時がある。
おイネさんは、年の功で、おりんちゃんの落ち込みに「自分の思うようにならないのが、世の中というものだ。いちいち立てついていたら、自分が生きにくくなるだけだ」
おりんちゃんは「自分は給費生だから、同じようにボイコットしたら恩知らずの人間になってしまう」と落ち込んでいたんですね。
ネットのある今は、お金があろうがなかろうが、もっと自由に発言できるので、良い時代になったのかも。
イネさんは「犬だって3日も飼われていれば恩を忘れないって言う」と聞いたおりんちゃん、「私は飼われているのと同じだって言うのか?」
こういう純粋さが、「おしん」っぽい。
するとおイネさんは、口減らしで旅籠の下働きに奉公に出され、薪でぶたれながら水くみやら飯炊きをさせられ、16の時、旅籠のせがれに乱暴されて、挙句に追い出されたと、明るく応えますが、衝撃的!!!
それからも波乱で生きるのが嫌になり、川に入って死のうとした時、ヤソの先生に助けられ、今あるのは夢のようだと、壮絶な過去から決別できた人というのは、これほどにも朗らかでいられるのか。
それもこれもヤソ様のおかげだったのか、おイネさんは、今は勉強とまかないの手伝いをしているのが、本当の努めだと、至極まっとうです。
それなのに、おりんちゃんは、素直に聞けないみたいですね。
何を迷っているの?
ジュリー
松浪先生は、あらためて校長に「彼女たちの前途のために、納得のいくご処置を」と頭を下げてお願いします。
松浪先生は、ほんとうに誠実な人です。
すると、松浪先生は、人知れず教会で「我が心に勇気をお与えください。2つの道を前にして、苦しむ私の弱さをお救いください」と祈りを捧げますが、なんてキレイな場面!
そこへ空気読まないおりんちゃんが「私はどうしたら良いのでしょう」と入って来て問いかけますが、ここも「おしん」っぽい。
松浪先生は、自分の迷いに対しては神に聞きますが、おりんちゃんの迷いには「自分の信じる道を行きなさい。きっと校長先生は私達に幸せの道を示してくださると信じている」
結局、おりんちゃんは、おイネさんが壮絶な過去を打ち明けてまでも慰めてくれたのに、松浪先生から、何か言われないと納得しないのか!
校長が!
松浪先生は、校長先生は幸せな道を示してくれると信じていましたが、現実は違いました!
全校生徒のいる前で、厳しい口調で校長は、二人を退学処分にすると言います!
見せしめっぽくていやだな~
おりんちゃんは、目の前の厳しさをじっと受け留めることしかできないと悟ったかのような表情。
これも現実です。
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