2020年6月20日(土)
はね駒キャスト
斉藤由貴、樹木希林、小林稔侍、中村美代子、丹阿弥谷津子、山内明
はね駒 あらすじ ネタバレ
夏休みも終わりに近づき、やえさんは郵便取扱所で、ぼうっと座っています。
知人が、やえさんを目にすると、顔を背けて去って行きます。
りん(斉藤由貴)は迷っていました。
父母を置いて仙台に帰ってよいのか。やえさん(樹木希林)に尋ねると、やえは「うれしい顔で嫁にいってほしい」だけだと話します。
居間
弘次郎は、彌七からの手紙を読んでいます。
おりんちゃんは弘次郎に、母ちゃんは何も心配しないで、仙台に帰っていいと言ったけれど、ほんとうにそれで良いのかと話しかけますが無言です。
おりんちゃんは、仙台に帰ったら、今までよりも少し多く仕送りをすると言うと、弘次郎は「よけいな心配はせず、自分の将来のことを考えておけ」と言われます。
「娘にそんなことまで心配させては親もしまいだね」と言い残し、弘次郎は家を出てみつの墓へ行きます。
手には小刀、弘次郎は大きな決断をしようとしていました。
橘家
夕餉の時、弘次郎の姿はありません。
弘次郎は、黙って家を出て行ってしまい、おみっちゃんの墓に行ったとみな話をします。
おりんちゃんが、迎えに行ってくると言うと、弘次郎が帰ってきました。
弘次郎は、みんなに東京へ行くことを告げます。
徳右衛門は、相馬を引き払って、家じゅうで東京へ行く理由をたずねると、弘次郎は「橘家と自分の再生のため」だと答えます。
おみっちゃんをあのように亡くしてしまったのは、士族としての血や対面にこだわった自分の責任だ。
今まで、こだわっていた過去を断ち切って、新しくやり直すには、遠く離れた土地で、何もかもやり直したいというのです。
おりんちゃんは、自分は、どうしたらいいのかと聞くと、弘次郎は、おりんちゃんも東京へ一緒に行くのだと言います。
東北女学校
おりんちゃんは女学校の校内を歩き、思い出をかみしめ別れを告げます。
橘家
弘次郎、やえさんが引っ越しの荷造りをしています。
旅立ちの日、弘次郎の声掛けの元、橘家の人々は家を出ます。
前置きレビュー
おみっちゃんが亡くなったのは、おりんちゃんの夏休み中の出来事です。
休みが明けたら、学校が始まりますが、弘次郎の思いがけない決断により、女学校を辞めることになりました。
女学校の先生の活躍よりも、松浪先生とのやり取りで、終わってしまった印象がなきにしもあらず。
ともかく頑なだった弘次郎にとって、おみっちゃんの死は大きな転機となりました。
ちなみに相馬から福島市は、徒歩約10時間ほど
東北本線が上野から青森の間を直通列車が1日1往復運行していて、所要時間は26時間半強とのことなので、約1日。
相馬から東京まで、約2~3日かかったのかな?
感想
やえさんの強さ
郵便取り扱い所で、やえさんが番をしていると、近所の人が、やえさんを見て、ろくにあいさつもせず立ち去ってしまいます。
おみっちゃんの肺病のウワサを信じている人のおかげで、いやな思いをすることになりましたが、やえさんは、仕方がないとあまり気にしていません。
強いな~~
おりんちゃんは、そんな気丈にふるまっているやえさんを心配しますが、やえさんにとっては、おりんちゃんが元気で仙台で働いてくれればそれで良いのです。
それでも、おりんちゃんは心配すると、やえさんは、親よりも早く死なないでくれたらと言います。
今の時代では、あまり考えられないことなので、胸がつまる思いです。
するとやえさん、「一つだけ注文がある。嬉しい顔をして嫁っ子に行ってもらいたい」
そうですよね「早く嫁に行け」ではプレッシャーになり、かえって行けるものも行けなくなってしまいそうですが、「嬉しい顔をして嫁っ子に行ってもらいたい」なら、天使が縁をつないでくれそうです。
弘次郎のちょんまげが
それでもおりんちゃんは納得できず、弘次郎に仙台に帰って良いのかと聞きます。
弘次郎は、おりんちゃんの話しを黙って聞いていましたが、刀を持ち立ち上がります!
「娘に心配されるようでは、親も終いだね」と言って外へ出て行きます。
ってまさか・・・
弘次郎は、おみっちゃんの墓の前に正座して、刀を抜くじゃないですか!
刀に当たった光の反射で、弘次郎の真剣なまなざしが強調されます!
息をのむような緊張感が走ったかと思ったら、Mr.マリックになって帰って来た!!
ちょっと笑っちゃいますが、バブルのころ江口洋介さんが、こういうヘアスタイルをして流行っていました。
再生
ちょんまげを切ってまでの決断とは、一家で東京へ出るというのです。
これまで、ずっと自分のやり方にこだわり、近所つきあいもせず、それが、おみっちゃんをこのような結婚へ導いてしまったと、弘次郎は深く反省したのです。
時代の流れに、うまく乗れず、ずっと古い価値観にこだわったことで、とんでもない悲劇を招いてしまったと。
なんだか、とってもわかります。
それにしても徳右衛門は、弘次郎の決断を理解し、ついていくと言いますが、けしてなぁなぁな感じではなく、どんな時でも肝の据わった態度が立派です。
そしてばあさまは、相馬で育ったやえさんが、慣れた土地を離れることを心配し、自分のことよりもお嫁さんを気遣ってくれるなんて、素敵な人です。
弘次郎は、おりんちゃんに「今、一番行きたいところのはずだ」と、源造との仲を察しているのかもしれません。
源造なら、良い人生が歩めると、どこか確信しているのだと思います。
長いことお世話になったおイネさんが、涙してくれて、つらい別れです。
ともかく、やっと弘次郎は、明治という時代で生きていこうと決心をし、そのことでおりんちゃんにとっても、何か大きなものが得られていくようです。
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