2020年6月26日(金)
はね駒キャスト
斉藤由貴、樹木希林、小林稔侍、すまけい、八木昌子、丹阿弥谷津子、山内明
はね駒 あらすじ ネタバレ
英語塾の教師になって5日目になりますが、外国人教師が風邪で休んでしまい、りん(斉藤由貴)1人でこの日も教えることになりました。
「これではまるで女学校だ」と塾生の青年たちにやゆされ、困惑するりん。
そんななか、塾長の河井平吉(すまけい)が、新しい教科書代を集め始めます。
りんは貧乏で払えない塾生の代金を立て替えると、河井はりんに「そんなことでは東京では生きてゆけないよ」と東京の怖さを語りだすのです。
前置きレビュー
源造の仕事が順調にならないと、おりんちゃんは結婚できません。
得意の英語を活かした仕事につけたのは良かったですが、小さな英語塾なので、何がおきるかわかりません。
働き始めて5日後、外国人教師が風邪で休んでしまい、おりんちゃんは一人で教えることになりますが、生徒たちは面白く思わないようです。
いくらおりんちゃんが一生懸命にがんばったとしても、直接外国人から教わった方が、得したように思われてしまっても不思議じゃないです。
もちろん同じ日本人だからこそ、どこが弱いのかわかっていると思うので、わかりやすいところもあると思います。
英語塾に通ってくるのは、恵まれた人だけではなく貧乏な人もいました!
おりんちゃんは、東北女学校を給費生として入学して頑張って来たので、貧乏でも英語を学びたい人の気持ちがわかり、代金の立て替えをします。
キリスト教の奉仕の精神もあったと思いますが、塾長の河井平吉には通じません。
それどころか生き馬の目を抜く東京で、そんな人の良いことをしていたら、生きていけないと諭されます。
東京は、キリスト教精神に満ちた東北女学校のようなハライソではないのです。
すまけいさん
おりんちゃんを東京で初めて雇ってくれた、英語塾の塾長河井平吉を演じるのは、すまけいさんです。
優秀な東北女学校の卒業生ということで雇ってもらい、東京の職場での初めての上司になります。
おりんちゃんの得意の英語を活かして活躍できると良いのですが、河井平吉の経営する英語塾の評判はどうなのでしょう?
今なら、ネットであらかじめ評判を調べることができますが、そんなものはありません。
東北女学校のような花園のようなところではないみたいですね。
すまけいさんの簡単なプロフィールをご紹介。
すま けい
生年月日:1935年(昭和10年)9月4日 ~2013年(平成25年)12月7日
本名:須磨 啓(すま あきら)
出身地:北海道国後島(国後郡)
北海道の中標津高等学校卒業後、富山大学に進学しますが中退。
役者を志して上京し、文化学院に入学しましたが、その後中退。
1961年(昭和36年)から芸術劇場に所属。
1966年(昭和41年)新宿のジャズ喫茶などを拠点にしながら、太田豊治と「すまけいとその仲間」を結成します。
「ゴドーを待ちながら」などの翻訳劇で、斬新な演出から「アングラの帝王」と称されます。
2013年12月7日、肝臓癌のため、お亡くなりになられます。享年78
感想
戸惑うおりんちゃん
英語塾で、落ち着きあるおりんちゃんの授業がはじまりましたが、そこへ塾長が現れ、スペンサー博士が、また今日もお風邪で休むと言います。
はじまったばかりなのに、日本人がなめられているような気がするな。
塾生は、おりんちゃんの授業ばかりで「これでは女学校だよ」「諸君!明日から頭にリボン結んでこよう」と笑いものにしています!
ここの塾生たちは老けて見えるけれど(塩見三省さんは、この時38歳ですが・・・)、意外におりんちゃんと、そう年齢は変わらないかも。
そんな中、15歳の高村善平くんは年下なので、刃迎うことができず、ひそかににらみつけるだけですが、おりんちゃんのことが好きなんでしょうね。
じいさまかわいい
近所の子供たちが元気よく剣で遊んでいる様子を見ているじいさま、ひ孫を抱くことはできませんでしたが、そんなこと、すっかり忘れて楽しそうです。
じいさまの表情が、とっても良い!
お寺の奥さん
お寺の奥さんは、やえさんとばあさまに、檀家の米問屋で小僧さんや女中が着るものの仕立てを誰かに頼みたいと話します。
やえさんやばあさまにとっては、パート仕事のようなものを簡単に探すことも難しかったでしょうから、これはラッキーだと思います。
高村善平くんの事情
はるばる戸田から通ってくる高村善平くんに、おりんちゃんは不憫なものを感じたのか、おにぎりをあげますが、妹のおみっちゃんを亡くしたおりんちゃんには、弟のように思えたのかもしれません。
高村くんは農家の三男で、小学校を出てから家や近所の手伝いをしていたが、どうしても英語の勉強がしたくて、よそで働いて貯めたお金で来たと言います。
それでも15歳の高村くんにとっては大金で、足らない分は、お母さんが嫁入りの時持って来た母親の形見の帯を売ってお金を作ってくれたと言いますが、英語を学びたい一心で、そこまでしないといけないなんて言葉が出ません。
夜は、深川で仕事をしていると言いますが、戸田から深川って、浅草より、さらに遠いはず。
こんなうさん臭い英語塾でなくて、ちゃんとした学校へ通って欲しい。
看板は「イングリッシュ教習所」だったけれど、蘭学塾とか慶應義塾とかと勘違いしたのかな?
狭い世界しか知らなかった高村くんは、ペラペラに英語を話せるおりんちゃんを師と仰いで、尊敬しているのだと思います。
そのおりんちゃんから、おにぎりをもらえたなんて、大変な思いをして英語塾へ来た甲斐があったと思ったのでしょうね。
心根のやさしいばあさま
やえさんとばあさまが内職仕事に精を出していると、やえさんは、二本松から出てきてもらったのに、親孝行どころから、こんなことをさせてしまい申し訳ないと謝ります。
するとばあさまは、「それは違いますよ。年寄りに何もさせずに飾っておくのが親孝行ではないのです。年寄りにも楽しみや苦しみを分けてくれるのが、ほんとうの親孝行です。遠慮にまつられて、役立たずの年寄りでいるよりは、役に立っているかと思うと、どんなにうれしいか」
うわっ~こんなこと言えないかな、、、
やえさん、こんなお姑さんと一緒にいられてラッキーとしか言いようがない。
このばあさまにして、じいさまありではありませんが、じいさまは、近所の子供たちを相手に剣術の稽古をしています。
年寄りだからと隅っこに追いやられるのではなく、出来ることをそれぞれに淡々とやる。
汚らしい年寄りではなく、体躯も声もしっかりとして、子供たちを相手に出来る。
それだけで良いのだと思います。
商魂だけな塾長
月謝の半年分を前払いというのだけでも高村くんには厳しいことなのに、さらにテキスト代1円50銭を納めて欲しいと塾長が話します。
買わないことには、スペンサー博士の授業が受けられないなんて、前もって言って欲しい話しです。
高村くんは暗く落ち込み、一人帰って行く姿が悲しいですが、おりんちゃんは、黙って見過ごすわけにいきません。
塾長にお金が出来たときの後払いではダメなのかと交渉しますが、塾長は「金は金、人情は人情と一線を置く」ときっぱりした態度でいると、おりんちゃんが高村くんの分を自分が払うと言ってお金を出します!
すると塾長、驚いて「君のやさしさは感動的だけどね、これでは君は東京では生きていけないよ。生き馬の目を抜くって言われている町だよ。人のことなんか考えていたら、自分がそのうち首をくくらなきゃならないようになっちまうんだ。そう思ってやっていかなきゃ東京じゃ生きていけないよ」
おりんちゃんは、塾長に言われた言葉にひっかかり、家に帰ってから、みんなに話をすると、じいさまが「東京は不人情な人ばかりではない」ばあさまも「住まいをタダで貸してくれたり、内職の世話もしてくれたり。ほんとうにご親切なこと」
たまたま、塾長が、そういう人だっただけ。
じいさまは「この辺りの子供は人懐っこくてかわいい。おじいちゃん、剣術教えてといっぱい集まってな」
じいさまが、かわいいから、子供たちもわかるのですよ。
「明日から、ちと揉んでやろう。筋の良い童もいる」
弘次郎が剣術の道場でもやりますかと言うと、やえさん「そうなると私は、道場の奥様ってことだからサムライの奥方のように上品にしていないと」
いきなりキャラ変は、ないと思うけれど、おかしいww
弘次郎は「いい年して冗談の区別がわからんのか?」
やえさんは真顔で「私も冗談で言ったんだべ」
弘次郎、ムッとして、おかしいwww
やえさんは、「おとっつあんが冗談言うの初めて聞いた。おとっつあん良かったない。東京さ来て」
笑ったかと思ったら、堅物だった弘次郎が冗談を言うよになってと、ここまでになるのにやえさんの苦労がしのばれ涙・・・
もぬけの殻
橘家の人たちは、ほんとうに温かく思いやりがあって、その中で、おりんちゃんは鍛えられていきます。
気持ちを新たに出勤すると、がらんとした部屋に、高村くん一人がポツンとしています。
高村くんは裏の大家に聞きに行ったら、塾長は大家も気がつかないうちに家賃も払わず出て行ったというのです!
高村くんの口から「詐欺だったんです」とは、これはキツイ!!
嘉助の持ってくる話は、やっぱり眉唾だったけれど、管理人は、高村くんに涙した!
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