2020年7月4日(土)
はね駒キャスト
斉藤由貴、樹木希林、渡辺謙、小林稔侍、加藤和夫、八木昌子、江見俊太郎、杉山彩子、丹阿弥谷津子、山田昌、山内明
はね駒 あらすじ ネタバレ
建築費不払いのまま、建て主に夜逃げされてしまった家に、りん(斉藤由貴)の家族全員で住んでほしいと、小野寺源造(渡辺謙)は、橘家一堂に頭を下げます。
この家の建築は、源造が東京で初めて手がけた大きな仕事で、自分の親しい好きな人たちに住んでほしい、そして絶対すぐには売らないというのです。
私たち家族のためにありがとうと礼を言うりんに、源造は家を売らないのは“その私たち”のためではないのだと言いだします。
前置きレビュー
明治29年が暮れようとしていたころ、建築用資材を販売する店を彌七と共に経営していた源造は、下宿屋を建てました。
ところが注文主が、建築費不払いのまま夜逃げをしてしまいます。
おりんちゃんと同じように詐欺にあってしまうなんて、源造、少し調子に乗ったかなとも思いますが、どうして、こうも詐欺のようなことがあるのでしょうね。
明治維新からの自由な空気の中で、防犯カメラなどないので、やりたい放題だったのかな?
源造は、おりんちゃんの家族に、その下宿屋として建てた家に住んで欲しいと願い出ます。
ちょっと風変わりな源造の叔父一家と離れてしまうのは、少し寂しい気もしますが、お寺の離れでの居候ではないので、橘家にとっては、願ったりかなったりなのでは。
弘次郎は、おりんちゃんと源造の仲をうすうす感じていました。
何かにつけ良くしてくれる源造ですが、源造のしっかりした態度に、弘次郎は好意的だったと思われ、源造の申し出を喜んで受けます!
たいがい弘次郎のような親父は、娘の交際に反対をしそうですけれど、源造の誠実さを間近に見てきて、素直に折れたのかもしれません。
冗談を言うようになっただけでなく、人の提案を素直に受けるようになった弘次郎に、やえさんが柔軟になってくれたと喜びそうです。
一家総出で上京したのは思い切った決断ですが、喜びが一つ一つ増えて行きそうです。
ちなみにモデルとなった磯村春子さんとその母のカツさんは、関東大震災に合わずにお亡くなりになられています。
春子さんの夫の磯村源透さんが亡くなられたのは、ちょうど関東大震災の年ですが、病気によりお亡くなりになられたようです。
感想
折れた弘次郎
源造は、建て主に逃げられた家に橘家の人に住んで欲しいと、弘次郎に頭を下げると、弘次郎は「家は建てたは金は入らないはでは、大損ではないですか?」と率直に聞きます。
源造は潔く諦めて、それよりも将来のことを大切にしているのがわかりますが、弘次郎は現実的で、それなら家を売ってお金にして、次の仕事の資金にした方が良いと提案しますが、源造は、すぐには売るつもりがないときっぱりと話しますが、すごい甲斐性です。
ばあさま、また引っ越すことになるとわかってか頭が痛いと言い出します。
年を取ってからの引っ越しは、相当ストレスなのでしょうね。
弘次郎は、そこへ引っ越したら、また源造の厄介になると遠慮すると、源造は、管理をしてもらうことになるので、管理費を払わないといけないとまで言ってくれます。
若いのに器量が違います!
やえさんが「私が住まわせてもらって、それが役に立つなら、喜んで住まわせてもらいます」
もう、やえさんのこの謙虚な賢さが素晴らしい!
そして頑なな弘次郎に、今年はおみっちゃんが亡くなって大変な年で、その上、ばあさまのボケがはじまり、これ以上、負担をかけさせるわけにいかないと思ったのだと思いますが、新しい家で年を迎えられたら、気持ちが晴れ晴れするのではと説得します。
そうなんです、新しい家に引っ越せ、タダで住んで役に立つなんて、うますぎる話しではあるけれど、乗っちゃったもの勝ちです。
弘次郎は「せっかくの申し出・・・」断るのか、、、
「せっかくのご好意のゆえ、ありがたく受けやしていただきます」
良かった!
やえさんに急所を突かれて、決心がついたんですね。
私たち
源造は、おりんちゃんとの将来を考え、その「私たち」のために家は売らないと考えていたのですが、もちろん好きなおりんちゃんの家族、おりんちゃんの言う橘家の「私たち」も一緒にと、源造は本当に良い人です。
嫁の両親と一緒に住もうと考えてくれるなんて、ジジババどころか、そのまた上のジジババがいて、しかもばあさまのボケがはじまっているのに、快く一緒に住もうだなんて、これなら他からも「ウチの婿になって欲しい」と引く手あまたでしょう。
源造は「来年の春、桜の咲くころ迎えに行く」と、おりんちゃんに告げます。
キャーーーーー
おりんちゃんにとっても、詐欺にあったり襲われそうになったりと、大変な1年でした。
それを源造が一番わかってくれています。
たっぷり甘えてください!
夫婦愛
やえさんが積極的に、源造の提案してくれた家に引っ越そうと考えたのは、ばあさまのことがあったからです。
お寺の離れでは、いろいろと気兼ねしてボケが加速すると思ったのでしょう。
年寄りのストレスは、ボケにつながると思います。
若いうちは無理がきいても、年を重ねると、柔軟に対応できなくなります。
もちろんやえさんは、おりんちゃんと源造の将来のことも考えていて、それは弘次郎も承知しているはずと思っていますが、弘次郎は返事をする代わりに、やえさんに自分の湯飲みでお茶を淹れ差し出します。
弘次郎は「ばあさまやおりんのためだけでなく自分も行きたかったんだろ?」やえさんの気持ちも十分わかっていました。
いちいち、その都度、説明をしないところが元サムライの弘次郎です。
とは言え、同じサムライだったはずの徳右衛門は、いまだ若いカップルのように、ばあさまに、わざわざ無理をして着る物のことをかまわなくて良いと話すと、ばあさまは「私がかまっているからご隠居どのでいられるが、かまわんなければ、ただのむさくるしい年寄りでございます」
徳右衛門は、ボケてきたばあさまを心配していたのにと「無礼者!」と怒りますが、ばあさまは、徳右衛門に心配されていたとわかり、気持ちがホッとしたのかも。
徳右衛門は、ちょっとムッとしていますが、お茶目な感じが伝わって来ます。
山内明さんて、チャーミングな人ですね。
引っ越し
大晦日に引っ越しすることになった橘家。
大掃除どころか、引っ越しの用意で大忙しです。
おりんちゃんと源造が、引っ越しの準備を楽しそうにしていると、弘次郎は複雑な表情で見ていますが、嫁入り前の娘の父親としては、見たくないのかも。
すっかり更けてしまい、辺りは真っ暗!
おりんちゃんと源造を二人きりにさせたくないのか、弘次郎が二人の様子を見に行ってしまいます。
やな親父だな。
源造の両親
初老の夫婦と娘が、お寺にやって来て、女が「この寺に息子がいるのを訪ねてきた」と言いますが、これが源造の両親ですね!
やえさんは、源造の両親だとは思わず、「ここにはおようさんという娘さんがいる」と説明します。
そこへ源造が現れますが、10何年ぶりかの親子の再会!
源造にしてみれば、一人前になるまで、親元へは帰らないと決めていたのでしょう。
しかし親にしたら、気ままに生きているのは良いけれど、そろそろ身を固めて欲しいと考え、その話しのためにやって来たとしても不思議ではありません。
10何年も会っていないなら、そりゃ突然やって来られて驚くわな。
コテコテの名古屋弁が楽しみです!
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